ISO 9001/ISO 14001 の認証をとる意義、メリットなどを教えてください
マネジメントシステム規格にもとづいてシステムを構築する際、組織(企業等)の取り組み方には2つのタイプがあります。1つは「購入先に要求された取引条件に対応するため、国際的なお墨付きを取得する」という比較的割り切った、登録取得を優先した受け身的取り組みです。もう1つは、「長期的展望から、避けては通れないより身近な問題として品質・環境問題を認識し、ビジネス要件としての認証取得に加えて、企業存続上の責任、さらにはこの機をビジネス差別化及び企業の体質改善のチャンスとしてとらえ、システム構築を図る」という、より前向きな取り組みです。
後者のような組織にとっては、マネジメントシステム規格は国際化時代に向けた企業体質改善のための有力な経営ツールになっています。いわば国際的な共通言語となる国際規格の要求使用にもとづいて組織の社内体制を整備し実施すれば、顧客に対する説得性が増すばかりか、社内の潜在能力も国際的仕様に対応して整備され、国際優良企業として内外へアピールすることが可能となるからです。
このように、マネジメントシステム認証への取り組み方は、組織により一様でない面がありますが、品質・環境に代表されるISOマネジメントシステム規格を例に、組織によるマネジメントシステム構築のメリット・意義をまとめれば次のような点があげられます。
- 事業参入機会の増大
- 事業参入機会逸失の回避
- 社会的企業イメージの高揚
- 社内経営管理システムの充実・強化、再構築
さらに、大きな視点でマネジメントシステム規格を考えると、システムの適用対象等の違いはあるにせよ、"ある管理対象事項を確実に実施させるためのツールとしての側面"を忘れてはなりません。すなわち、マネジメントシステム規格の「本質的な狙い・精神」とも思われるものは、ビジブルな業務推進の仕組み作り(業務・組織のリエンジニアリング)と位置づけられるのではないでしょうか。