セクター規格とは

セクター規格とは

ISO 9001はあらゆる分野に汎用的に適用されるものであるため、産業分野によっては必ずしも完全に対応しきれないと思われる部分があります。そこで、これを補完するためにISO 9001に各分野における独自の特性を勘案した審査員への要求事項、認証機関への要求事項、認定機関への要求事項を付加したものがセクター規格です。
このようなセクター規格や認証制度(セクター・スキーム)が登場した背景には、既存の汎用的な認証制度で登録された供給者から納入される部品に対する顧客からの不満の声に応え、また、同時に、膨大な供給者に対して既存の認証制度を利用しつつ審査活動を強化しようというニーズがありました。
航空宇宙分野のJIS Q 9100、医療用具分野のJIS Q 13485、電気通信機器分野のTL 9000がありますが、上述のように、それらはあくまでISO 9001がベースとなっており、ISO 9001と異なる全く別のものということではありません。

JIS Q 9100

JIS Q 9100の目的と意図

JIS Q 9100は、ISO 9001に航空宇宙業界の固有な要求事項を追加した、航空宇宙品質マネジメントシステム(QMS)規格です。航空宇宙産業で求められるより高度な品質を加味することで、さらなる安全性を追求できます。規格原案は欧米の航空宇宙業界が作成し、その後、世界の航空機メーカー及び航空エンジンメーカーが参加するIAQG(International Aerospace Quality Group)が設立され、以降の規格開発にあたっています。

JIS Q 9100の特徴

JIS Q 9100認証情報は世界共通データベースOASIS(Online Aerospace Supplier Information System)に登録・公開されており、情報開示により自社のQMS能力などがアピールでき、航空宇宙産業におけるビジネス機会の拡大が期待できます。

ISO 13485

ISO 13485の目的と意図

ISO 13485は、医療機器の製造、販売などを行う組織が、品質マネジメントシステムの効果的な運用を通じて、医療機器の安全性、有効性及び品質を継続的に確保するために、開発された規格です。

ISO 13485の特徴

ISO 13485は「規制目的」の規格であることが大きな特徴となっており、世界各国で、法規制・法的監査の基準にISO 13485が取り込まれています。
国内では薬事法で定められる医療機器の品質マネジメントシステムに対する要求事項(QMS省令)に、ISO 13485の内容が取り込まれています。

医療機器の製造・供給に携わる組織の体制を整えるとともに、国際貿易の円滑化への貢献につながっていきます。

TL 9000

TL 9000の目的と意図

TL 9000は、電気通信産業において顧客へ提供する製品とサービスの品質向上を目指すための品質マネジメントシステム規格です。通信プロバイダー、及び電気通信機器製造業界を主たるメンバーとするQuEST Forum (Quality Excellence for Suppliers of Telecommunications)が開発・管理しています。北米を主体に展開が始まり、現在はアジア、ヨーロッパ地区をはじめ、世界規模で広まっています。

TL 9000の特徴

TL 9000は、ISO 9001に、現存する様々な通信業界の品質規格の内容を加味したもので、次の二つのハンドブックから構成されています。

(1)品質マネジメントシステム要求事項ハンドブック

  • ISO 9001の各要求項目に対応して、より詳細に、独自な追加要求事項を付加したもの

(2)品質マネジメントシステム測定法(メジャメント)ハンドブック

  • 製品のパフォーマンス評価の項目と尺度が規定され、これら要求される品質管理データをQuEST Forum管理者に報告することが要求されている
  • 上記の数値化されたデータは、業界基準として公開する仕組みが設定されている

上記の(2)は、特にTL9000の特徴的な取組みとなっています。

TL 9000規格の構成モデル

 

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