試験所・校正機関・臨床検査室・検査機関認定取得の意味と効果について

2008年 1月22日
財団法人 日本適合性認定協会

本協会は、2007年12月10日に「10周年記念JAB試験所認定制度説明会」を開催し、関係者約150名の参加を頂きました。この説明会は副題を「認定の意味と効果」とし、既に認定を取得された各方面の試験所等の講師の方々から講演を頂き、認定取得を検討されている方々の参考にしていただくことを目的としたものです。

一般的に認定の意味と効果については、以下と考えられています。

  • 顧客側の期待(技術的能力の高い検証された試験所を選ぶことにより、リスクを最小限にする、高価な再試験を避ける、顧客の信頼を高める、経費を節減して海外での製品競争力を向上させる。)に応えられる。
  • 業務システムの改善、関係者の意識向上が期待できる。
  • 技術的能力の正式な承認である。
  • 検証された試験所であること、との顧客要求がある場合のパスポートとなる。
  • 業務実施能力の継続的確保の証明となる。
  • 国際的相互承認により試験結果が国際的に広く受け入れられる。
  • 試験報告書について訴訟問題等の不都合が生じた場合、試験所としての技量があることを証明する有力な証拠となる。
  • ステータス、信頼性及びデータ信用性が向上し、競争力が強化されることによって事業、人材確保などに貢献できる。

 

今回の講演の纏め部分を以下に記載いたします。表現等の差異はありますが、上記一般的に考えられている内容とほぼ同様なメリットを、実際に認定を取得された試験所等関係者が実感されていることが確認されました。

検査機関

  • 国際水準の技術/技能/システムを有していることを証明できる。
  • 国際団体及び関係国からの要請に応えることができる。

 

試験所(機械・物理分野)

  • 品質保証のための手段として。
  • 国、県、民法34条によって設立を許可された試験機関と国際的に見て同等の権限を確保。
  • 事業範囲の拡大も可能。
  • 独立採算制の確保。
  • 健全な試験所運営に有効。
  • 責任と権限の規定により若手職員の活性化。
  • 明るい試験所の未来計画の立案。

 

試験所(化学分野)

  • 試験所分析値を付与した標準物質の提供が可能となり、顧客の信頼を獲得。
  • 相互承認により海外で標準物質を使用するメーカー側から管理上の高い評価。
  • 海外顧客への標準物質分析値の説明を簡素化。
  • 外部、内部からの厳正な評価のもとで、適正な業務運営を継続。
  • エビデンスとその評価によるノウハウの蓄積。
  • 運営上のPDCA(対外的・対内的)実践による業務の質の向上。
  • 海外への製品出荷をスムースにし、分析値の信頼性において高い評価を得ている。
  • 顧客・要員・試験という大きな柱とそれらに関係する様々な要因を常に意識した質の高い試験所運営が実現した。
  • 所員のレベルアップにより、分析技術開発へのモチベーションアップが行われ、試験所以外の分野でも要員の取り組みが積極的になった。

 

校正機関

  • 組織内における技術レベルの向上。
    • 認定による校正要員の意識向上。
    • 不確かさの概念の根付き。
    • 不確かさ推定のため、対象機器の特性をより把握。
    • 業務の標準化向上。
    • 測定技術向上。
  • 組織外も含め、顧客満足の向上→校正業務の拡大→販売増の期待→アフターサービス充実→顧客満足の向上のループが回る。

 

臨床検査室

  • インシデント、アクシデント件数の減少。
  • 検査室内が綺麗になる。
  • 職員のモチベーションの向上。
  • PDCAサイクルを回すことが可能になる。
  • 目標管理が可能になる。
  • 試験所としての認識。

 

本協会は今後とも試験所認定制度の拡大に向け各種説明会、研修会等を計画して参りますので、積極的に参加いただきたく、よろしくお願いいたします。

以上
■本件に関する問合せ先■
財団法人 日本適合性認定協会
認定センター 試験所認定
Tel.03-3442-1217 Fax.03-5475-2780

 

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