2009年国際認定推進の日

2009年 4月27日
財団法人 日本適合性認定協会

2009年 6月 9日は第2回国際認定推進の日です。今年のテーマは「力量」です。力量は認定が扱う最も重要な事項です。認定によって、市場に製品及びサービスを提供する組織の力量を、技術面及び/あるいは運営面から明確にすることができます。 「力量」とは、組織に業務遂行の仕組みが充分整っており、業務遂行の手順を充分理解し、企画能力があることを実証できること、主体的に行動する能力があること、組織の目的及びビジョンに沿って、技術体系とマネジメントシステムが有効に機能していることを確実にする能力があることです。その結果、産業界や政府機関は、認定を受けている組織及びその顧客が提供する製品及びサービスに更に大きな信頼を寄せることが可能になります。

2008年国際認定推進の日では、プロモーションイベント、産業界及び規制当局関係者向けのセミナー、プレスキャンペーンが世界50か国を超える国々で行われました。今年の活動は、昨年の成功を再現するものになると考えております。ILAC(国際試験所認定協力機構)*1とIAF(国際認定フォーラム)*2は、主要な国際規格作成者、規制当局、及び利害関係者に国際認定推進の日を引き続き支援していただき、各国の認定機関及び適合性評価機関が行う活動が一層価値のあるものとなることを期待します。

国際認定推進の日の行事により認定が更に強く認識されるようになりました。中でも、各国の規制当局の認定に対する認識が更に高まり、法規制を支える又はそれに代わって信頼できる解決策を提供する仕組みとして、認定を採用する動きが出ています。その結果、各国の認定機関が規制当局に対して行った最近の調査で、認定サービスの結果を受け入れるとの回答が68%あったと報告しています。これは、2002年の調査と比べると27%増となります。

認定の価値及びILAC・IAFの国際相互承認協定*3についての認知度は上がっており、現在、多数の国で運用されています。例えば、欧州における新しい法令では、EU域内での認定サービス提供に関する法的枠組みが規定されました。EA(欧州認定協力機構)には調整役としての任務が課せられました。アジア太平洋地域では、APEC(アジア太平洋経済協力)が認定を支持し、APLAC(アジア太平洋試験所認定協力機構)とPAC(太平洋認定機関協力機構)をAPECの専門地域機関として承認しました。認定は、今や APEC協定の適合性評価部分を支えるものとして利用されています。ASEAN(東南アジア諸国連合)には10の加盟国がありますが、ASEANの電気及び電子機器分野別MRA(相互承認条約)に認定を組み入れ、各加盟国の強制分野での要求事項を満たす手段とし、また、ASEAN自由貿易地域で円滑に実施できるようにしました。

アメリカ諸国では、IAAC(米州認定協力機構)が認定の価値を規制当局及び政府機関に理解させることに成功し、認定を受けている試験所からの結果に寄せる信頼は次第に大きくなっています。試験所の結果は、食品の安全、環境保全、玩具の安全、コンクリート、鉄鋼、電気製品、及びその他多くの製品及びサービスという多様な分野における強制分野での要求事項を満足させるために利用されています。

本協会は日本で唯一の総合的な認定機関として、また、ILACおよびIAFの相互承認協定メンバーとして、上記の趣旨を尊重し、今後とも適合性評価制度の国際的な発展に貢献しつつ、制度の信頼性向上に努力して参ります。

以上

*1 ILAC:International Laboratory Accreditation Cooperation
試験所・検査機関並びにこれらの機関の認定について国際的に話し合う場として1977年に創設され、その後試験所・検査機関を認定する機関だけの国際組織として1997年に再発足した。

*2 IAF:International Accreditation Forum, Inc.
マネジメントシステム認証機関や製品認証機関などを認定する機関の国際的組織として、認定の技術的レベルの整合性のための情報交換を目的として1993年に創設された。

*3 相互承認協定:
認定された認証機関が発行する認証証、認定された試験所等が発行する報告書の価値を一定レベル以上に確保することにより、認証証や報告書を活用する立場の人(購入者等)に対し信頼性を付与する一方、他の国や地域の認定機関からそれぞれ認定を受ける必要がないようにする仕組み。

■本件に関する問合せ先■
財団法人 日本適合性認定協会
総務部 CS
E-mail: CS@jab.or.jp
Tel.03-3442-1218 Fax.03-5475-2780

 

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