2009年 ILAC 年次総会報告

2009年11月27日
財団法人 日本適合性認定協会

2009年10月10日から10月20日の日程で、カナダ・バンクーバー市において国際試験所認定協力機構 (ILAC) 及び国際認定フォーラム (IAF) の合同年次総会及び委員会が開催されました。ILAC 年次総会の概要は以下のとおりです。

 

  1. 会員状況

    昨年の総会以降のILAC 会員状況は次のとおりです。

    • 新規 MRA 加盟会員 (正会員) :
      PNAC (パキスタン) 、EGAC (エジプト) - 試験及び校正
      ASCLD/LAB (アメリカ) 、AAC Analitica (ロシア) - 試験のみ
       
    • MRA範囲拡大:
      PJLA (アメリカ) 、RENAR (ルーマニア) - 従来の試験に加え校正を追加
       
    • 2009年10月23日現在の ILAC 会員
      正会員 (MRA 署名機関) : 65機関 (51か国)
      準会員 (未 MRA 署名機関) : 23機関 (23か国)
      アフィリエート (準備中機関) : 20機関 (18か国)
      利害関係機関: 25機関 (18か国)

     

  2. 役員の交代

    合同発展途上国支援委員会議長 (Ms. Maribel Ropez) 及び協定管理委員会議長 (Dr. Llew Richards) の今年末での辞任に伴い、Mr. Dolzaf Zanger、Mr. Andreas Steinhorst がそれぞれの後任 (次回選挙まで) として任命された。

  3. ILAC文書

    文書管理手続きの見直しにより、従来事務局文書 (Sシリーズ) として登録されていた文書のうち要求事項文書をRシリーズ文書として分類された。新たに ILAC R7 (ILAC マーク使用規定) が制定され、ILAC マークの名刺での使用禁止が明記された。これに伴い 2年間の移行期間を設けてこの規則への適合が義務づけられた。

  4. 財務報告

    2008年度の収支決算は、アメリカ・ドルの為替レート下落により大幅赤字。2009年度収支見込みは、他国際機関からの支出援助があり若干の黒字予想。2010年度予算は会費計算式の改訂により増収見込み。NATA (オーストラリア) からの財政援助は 2011年までになくなる。今後予算編成をアメリカ・ドルに替えてオーストラリア・ドルとすることを合意。

  5. 特別講演

    CPSC (消費生活要請認安全局: アメリカ) から、2008年に制定された消費生活用製品安全性向上法 (Consumer Product Safety Improvement Act) で製品の安全性試験を実施する試験所の要件に ILAC MRA 加盟認定機関の認定を受けた試験所であることが規定されたこと及びその運用状況が紹介された。CPSC 制度は、現在のところ子供用品のみを対象としており、27か国31認定機関により認定された196試験所を公認しているとのこと。将来的には対象製品の範囲拡大が予定されている。続いて NIST Standards Service Division (SSD) から、この CPSC の制度に技術的支援を行っている旨の紹介があった。CPSC 制度のための国際技能試験プログラムを計画しているとのこと。

  6. 決議事項の採択

    上記以外について本年のILAC 総会 (IAF/ILAC 合同総会を含む) で採択された主な決議事項は次のとおりです。

    ILAC Resolution GA 13.25: ISO 15189 が現行 ILAC MRA でカバーされていることを確認し、Point of Care Testing (POCT) の認定に2009年10月20日から 2年の移行期間を設けて次の基準を適用することを決議する。

    1. ISO 22870 で POCT の認定を行う場合は、ISO 15189 の全てのパート (ISO 22870 で規定する部分を除く) がカバーされること。
    2. 認定証には ISO 15189 と ISO 22870 の両規格が言及されること。

     

    ILAC Resolution GA 13.26: IAF/ILAC A4 の改訂に先立ち、ILAC MRA 加盟要件として次の事項を即時に適用する。
    認定機関は:
    1. 認定した組織の審査に実証できる経験を持ち、MRA 対象のスコープ毎に少なくとも 1つの認定を授与していること。
    2. 認定活動の全ての側面で実証された経験及び専門技術にアクセスできること。
    MRA評価時に認定数が 4機関未満の場合は、通常の 4年周期より短い周期でフォローアップ評価を行う事を検討すること。

     

    ILAC Resolution 13.27: ISO/IEC 17043 発行後 2年を経過した時点で ILAC G13 を廃版とする

    JGA Vancouver Resolution 2 - IEC: ILAC, IEC, IAF の間で検討され計画された新しい審査協力モデルを承認し、ILAC、IEC、IAFの 3者でこの審査協力に関する共同声明を出すことを支持する。

    JGA Vancouver Resolution 6 - Future Direction of IAF and ILAC: 合同総会は、ILAC 及び IAF のそれぞれにおいて将来の IAF と ILAC の構造に関する 3つのオプションについての決定に関する投票を実施することを承認する。

  7. 今後のIAF/ILAC総会開催予定

    2010年: 中国・上海市
    2011年: タイ・バンコク市
    2012年: ブラジル・リオデジャネイロ市

以上

 

■本件に関する問合せ先■
財団法人 日本適合性認定協会
認定センター 試験所認定
Tel.03-3442-1217 Fax.03-5475-2780

 

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