2009年 (第15回) APLAC年次総会報告
2010年 1月25日
財団法人 日本適合性認定協会
2009年12月 7日から11日の日程で、インドネシアのバリ島において第15回 APLAC年次総会及び付属委員会会議が開催されました。これらの会議の概要は次のとおりです。
日程:
12月 7日 開会セレモニー、技能試験委員会、教育訓練委員会
12月 8日 技術委員会、広報委員会
12月 9日~10日 (10日は午前のみ) APLAC MRA評議会
12月10日~11日 (10日午後、11日午前のみ) APLAC総会
総会概要:
- 理事選挙
本年は APLAC理事のうち 2名について改選。投票の結果、Ms. Chang Kwei Furn(SAC: シンガポール)と Mr. Nigel Jou(TAF: 台湾)が当選した。これにより現在のAPLAC執行役員は次のとおりとなった。
- APLAC議長 Mr. Terence Chan (HKAS: 香港)
- MRA評議会議長 Mr. Barry Ashcroft (IANZ: ニュージーランド)
- 理事 Ms. Roxanne Robinson (A2LA: アメリカ)
- 理事 Ms. Regina Robertson (NATA: オーストラリア)
- 理事 Mr. Vu Xuan Thuy (BoA: ベトナム)
- 理事 Mr. Nigel Jou (TAF: 台湾)
- 理事 Ms. Chang Kwei Furn (SAC: シンガポール)
- APLAC事務局長 Dr. Helen Liddy (NATA: オーストラリア)
- メンバーシップ
正規メンバーについては25か国37機関で昨年から変更なし。アソシエートメンバーは 6機関から 7機関にまもなく増加予定。
- APLAC MRA(相互承認)
APLAC MRAは2009年に次の加盟等があった。
- 新規加盟: AAC Analitica (ロシア: 試験のみ)、PNAC(パキスタン: 試験及び校正)、SLAB (スリランカ: 試験のみ)
- MRA範囲拡大: ACLASS (アメリカ: 試験、校正に加え、標準物質生産者 (RMP)追加)、NABL (インド: 試験、校正に加え、臨床検査室 (ISO 15189))、PJLA (アメリカ: 試験に加え校正)
これにより、APLAC MRA署名機関は合計で19か国30機関 (試験29機関、校正24機関、検査機関12機関、臨床検査室10機関、標準物質生産者 5機関)となった。
- 委員会活動報告等
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MRA評議会: 新規加盟申請及びMRA拡大申請に基づき、MRA評価を継続して実施中。臨床検査室の ISO/IEC 17025から ISO 15189への移行が完了した。現在登録されている主任評価員31名のうち25名について任期満了に伴う見直しが行われ、2名が技術専門家に資格変更、その他23名は資格継続が承認された。試験所・校正機関の認定審査について訪問すべき事務所と主要な活動についての定義化作業がILACで始まる。 APLACでは既に同様の定義案を検討している。その他PAC (太平洋認定協力機構)との協力活動の一環で、合同評価を進める上での課題分析を開始した。その他、技能試験プロバイダの認定を MRAに加えることについては ILACでの検討を待ってスタートする。
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教育訓練委員会: 2009年 6月にISO 15189臨床検査機関認定に関するAPLACトレーニングコースをオークランド(ニュージーランド:主催IANZ)で開催した。2010年には、認定機関職員向けのISO/IEC 17011トレーニング (主催 KOLAS)を計画している。この他、技能試験委員会や技術委員会と連携して 2010年に新規発行が予定されている ISO/IEC 17043及び 2009年11月に発行された改訂ISO Guide 34に関するトレーニング (主催はそれぞれTAF、CNAS)も予定されている。
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広報委員会: 2009年はAPLAC戦略プランに基づき広報委員会活動計画を実施。年間活動をレビューした結果、これまで普及促進活動は受動的であったことに対する戦略の見直しを行う。APLACブランド確立と付加価値提供を表に出した普及促進活動、APLAC内外の利害関係者に対するマーケティング等がその目玉。この他、2010年は地域機関間の協力の一環として、APLACニュースレターの一部をIAAC(南北アメリカ認定協力機構)やPACとの合同発行とすることを予定している。
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技能試験委員会: 検査及び法医学分野での技能試験運営のためのワーキンググループ(WG)を立ち上げる。APLAC技能試験プログラムで報告される測定の不確かさについて認定機関が参加試験所の表明する測定の不確かさの適切性について評価すべきことをAPLAC技能試験文書 (APLAC PT001, PT002)に盛り込む。APLAC技能試験プログラムリスト (APLAC PT003)に技能試験プロバイダへのハイパーリンクを付けて使い勝手をよくする。APLAC/PTB合同ワークショップ (第 3回)の報告を受け、将来は技能試験のトレーナー養成コースを計画。APLACメンバーに対して参加の意思確認のためのアンケートを行う。技能試験が利用可能でない場合の試験・校正の妥当性の監視に関する文書を作成する (WGを設置)。APMP (アジア太平洋計量計画)の化学分野技術委員会 (TCQM)が実施する茶葉中の残留農薬(殺虫剤)に関する技能試験プログラムを含む APLACと APMPの協力について議論を進める。
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技術委員会: ISO Guide 34が改訂され 2009年11月に発行された。この ISO Guide 34の改訂では、APLACのコメントが多く取り入れられた結果、現行のAPLAC TC 008の内容と多く重複することから、TC008についてこの重複を削除する改訂を行う。臨床検査分野では、ILAC AIC (認定問題委員会)のWG6が「臨床検査機関認定システムの実施に関するガイド」を作成している (JAB主査)。これと平行して臨床検査分野における計量トレーサビリティと測定の不確かさの適用に関する議論が行われている。この他、遠隔・現地活動に関する文書が作成されている。これは、試験所の主たる試験サイトから離れたところで行われる試験活動に関し、ISO 17011の7.5.7項の要求事項 (訪問すべき試験所の事務所、サイト)を適用するための主たる活動を行う事業所に関する定義を与えるもの。ILACでも同様の定義化を進めようとしている。昨年、試験の不確かさに関する WGを設置した。この WGの任務は、EURACHEMのような国際的な組織や各認定機関が発行する試験の不確かさに関する文書をレビューし、試験の不確かさに関する国際ガイドの必要性について調査するというもの。必要な場合、ガイドの作成が APLAC主導で行われる。
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- 事務局報告:
APLAC事務局長 Dr. Helen Liddy (NATA)が2010年 6月末で退任する。後任は、同じく NATAの Mr. Michael Frazerとなる予定。
- 国際機関協力:
近年、APEC SCSCの各種プロジェクトで地域専門家機関 (SRB)の活用が進んでおり、APLAC関係では 2010年1月に香港で玩具安全に関するディスカッションパネル、3月には広島で SRB会議が予定されている。また、APEC TELでは、これまでの MRAステップ (第1ステップは試験報告書の相互受入、第 2ステップは認証結果の相互受入)に続き、2009年会議では第 3ステップ (技術基準の整合)について MoUを取り交わした。
- 今後の会議開催予定:
2010年 APLAC総会は大阪市で開催される。2011年はフィリピン、2012年はベトナムでの開催が予定されている。
■本件に関する問合せ先■
財団法人 日本適合性認定協会
総務部CS
E-mail: CS@jab.or.jp
Tel.03-3442-1218 Fax.03-5475-2780
認定センター 試験所認定
Tel.03-3442-1217 Fax.03-5475-2780