第16回 JAB/ISO 9001 公開討論会 報告 ( 概要 )

2010年 4月28日
財団法人 日本適合性認定協会

2010年 3月15日、本協会主催による第16回 JAB/ISO 9001 公開討論会が、東京ビッグサイト国際会議場 ( 東京都江東区 ) において、約 600名の参加者を迎えて開催されました。

 

メインテーマ「 ISO 9001 認証の社会的意義と責任」設定の背景

一昨年度の「 ISO 9001 認証を考える」、昨年度の「審査を変える ~ QMS 認証の価値向上」というテーマのもとで検討した内容を引き継ぎ、認証の社会的価値と信頼性の向上に寄与するために、組織・認証機関・審査員・認定機関がそれぞれ担う役割について、「 JAB/ISO 9001 研究会」で数か月にわたり検討を続けた研究成果を報告し、意見交換することといたしました。

 

基調講演「 ISO 9001 認証の社会的意義と責任」
東京大学大学院 工学系研究科 特任教授
飯塚 悦功 氏

今回の議論に必要な視点を共有する目的で、最初に ISO 9001 認証制度の2側面「 QMSモデル ( 基準・指針 ) 」と「 QMS認証制度 ( 評価制度 ) 」の意味を解説。良いマネジメントシステムモデルの提示により、産業競争力や国力向上など社会全体のレベルアップが期待できることを述べられました。「認証制度の質」については、制度が公正・中立・独立・透明を維持されることにより、認証された結果が価値あるものとなる、との意見がありました。また、制度のさらなる質向上のためには、情報公開によって市場原理を働かせるなどの方策が示されました。これらの視点をもとに、組織の能力証明制度である認証制度における「適合」「認証」とは何かについて研究会WGで検討し、ISO 9001 認証制度の社会的意義と責任を果たすために、関係者がどのような行動をとるべきか、について考察したことを紹介しました。

以下は、ISO 9001 研究会メンバーによる研究報告の要約です。

 
WG1 求められる QMS 能力 ~ QMS 運営能力を有していると判断するための審査~
発表者: 財団法人 日本規格協会 名古屋支部 事務局長
加藤 芳幸 氏

WG1 では、被審査組織が ISO 9001 の意図に適合していることを確認するためには、どのような審査を行うべきかを考察することを目的に、あるべき ISO 9001 認証審査について、審査の目的・審査の対象・適合 / 不適合の原則の視点から検討を行いました。組織の ISO 9001 への適合を判断する際には、結果として見える部分だけではなく、背景にある QMS 能力について評価する必要があると述べられました。続いてその手法についての検討が行われたことを紹介。WGで検討した QMS 能力評価方法について、組織の機能を明確にする・あるべき姿 / QMS 運用のための活動を想定する・適切に評価する、というプロセス毎に、具体例を示しながら解説がありました。

 
WG2 認証付与の判断基準 ~認証機関による ISO 9001 適合の判定~
発表者:株式会社 テクノファ 代表取締役社長
平林 良人 氏

WG2 では、認証付与決定に必要な機能・体制・情報について、現在の枠組みを尊重しつつ議論を行いました。認証審査プロセスでは、適合の証拠を集める活動が原則であるにもかかわらず、「適合でない証拠がなければ適合」との判断が散見される現状を紹介。これらを解消するために、1) 適合と判断できる十分な証拠が提供されているか 2) 証拠評価能力は十分か 3) 認証状態の公開は十分か 4) 製品問題に関する不祥事対応は十分か、を確認する方策について議論し、サンプリングの可視化・認証状態の適切な公開などの提言を行いました。

 
WG3 組織による ISO 9001 適合の実証 ~組織自らによる能力の実証とそのメリット~
発表者:インクリメント P 株式会社 品質管理室 プロセス管理部
品質企画グループ マネージャー
古泉 功 氏

WG3 では、組織自らが ISO 9001 への適合状態の確認を自律的に実施し、その内容を認証審査においても提示することが、認証を受ける組織の責任であるとの認識のもと、自らの能力の実証方法とそのメリットについて考察しました。顧客要求を満たす製品・サービスを一貫して提供できる能力があることを証明する方法として、「誰が」「何を」「どのように」実証するかについて事例を交えながら説明しました。また、組織自ら QMS 規格への適合を実証することでQMSの実質的な運用効果が最大限に発揮できる、そして情報が適切に開示されることで社会倫理観が働くという効果が期待出来ると述べられました。情報の公開は社会に対してのコミットであり、公開により品質優位のブランド確立が短期間でなし得る可能性についても示されました。

午後は、WG 発表 3名の方々及び ISO 9001 研究会メンバーから 株式会社 小林経営研究所 小林 久貴氏、財団法人 防衛調達基盤整備協会 システム審査センター 伴野 道彦氏、日本検査キューエイ株式会社 勝俣 宏行氏、本協会認定センター長 久保 真が加わり、飯塚教授をコーディネーターとしたパネルディスカッションが行われました。
パネルディスカッションでは、昨年同様、公開討論会開催の約 1か月前から JAB ウェブサイトに掲載された資料について出された質問・コメントへの回答が示されるとともに、会場参加者と関連する意見交換が行われました。

当日使用したテキスト及び事前に寄せられた質問項目とそれに対する回答は、次の資料をご覧願います。

 第16回 JAB/ISO 9001 公開討論会 事前質問 & 回答 (PDF 78KB)

 

参加者の皆様には、この場を借りまして厚く御礼申し上げます。

以上

 

第16回 JAB / ISO 9001 公開討論会

 

■本件に関する問合せ先■
財団法人 日本適合性認定協会
総務部 CS
E-mail: CS@jab.or.jp
Tel.03-3442-1218 Fax.03-5475-2780

 

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