国際認定推進日に寄せて~ JAB からのメッセージ

2010年 6月 2日
財団法人 日本適合性認定協会

    • 国際認定推進日の狙い

      ILAC*1 と IAF*2 の両理事会が合同委員会を作り、認定活動の理解及び国際相互承認*3 の一層の普及と世界レベルでの活用を推進することを目的として、6月 9日を国際認定推進日と定めて今年で 3年目になります。
      今年の国際認定推進日のテーマは、Global Acceptance です。もの、サービス及び人の国際的な移動を一定レベルの品質を保ちながら推進するためには、一か国で行われた評価がどの国でも等しく受け容れられる、あるいは信頼できると判断される環境作りが必要です。この環境作りの一翼を担う重要な活動として、IAF や ILAC の国際相互承認活動があります。

     

     

    • 制度の活用と信頼を得るために

      国際的な相互承認の枠組みが充分に機能し、Global Acceptance が達成されるためには、各国の認定機関が信頼に足る認定審査を実施し、その結果として、当該認定機関から認定を受けた適合性評価機関*4 が信頼できる認証サービスあるいはデータ等の提供を行うという体制ができていなければなりません。

      一方、この制度は法令で定められた制度ではなく、国際規格 (ISO) を判断基準とする民間による任意の制度です。従って、この制度は、世界共通の活動展開が可能であり、市場の変化に迅速に対応できるというメリットを持ちます。しかし同時に、審査される側から審査費用を受け取って、その審査される側の状況を審査するというビジネスモデルには、審査品質を劣化させうる危険性も同時に孕んでいます。

      任意の国際規格に基づく認定・認証制度の危険性を最小限にとどめ、この制度のメリットを最大限引き出すためには、制度を実施する国毎の文化的背景を考慮し、制度に関連する人々のモラルの問題にも取り組む必要がありますが、さらに重要なことは、この制度の利用者や社会一般の方たちが、正しく認定・認証制度を理解し、この制度の下での不正や間違った活動を自主的に管理できる仕組みを作ることであろうと考えています。
      この体制を構築するために、認定機関及び適合性評価機関は、制度の利用者 ( エンドユーザー ) からのフィードバックを確実に得る手段を改善し充実しなければなりません。また長期的には、制度の広報活動の範囲をさらに拡大し、小中学生レベルでの教育プログラムへの制度説明の組み込みも検討していかねばならないでしょう。
      制度に関する理解が進むと、審査が一方通行にならなくなります。すなわち、社会一般の方々を含め審査結果の利用者 ( エンドユーザー ) が、審査結果の活用結果から判断して、審査が適切であったか否かを審査側へ伝えることが可能になります。

     

     

    • 制度の根幹としての説明責任

      Global Acceptance. この目標を達成するためには、日々の認定活動においても、また日本から発信する国際活動においても、まだまだ課題を抱えています。国際認定推進の日を契機に、民間による認定・認証制度は、各組織の説明責任を果たす重要でかつ国際的なツールであると認識され活用されることが肝要です。
      JAB 及び JAB が認定させていただいている適合性評価機関自らも、それぞれの立場での説明責任を果たし、今年度の国際認定推進の日のテーマである Global Acceptance に取り組んでいきたいと考えています。

*1 International Laboratory Accreditation Conference ( 国際試験所認定協力機構 )
*2 International Accreditation Forum, Inc. ( 国際認定フォーラム )
*3 国際相互承認
*4 適合性評価
 

なお、ILAC 議長及び IAF 議長による共同声明【英文】と共同プレスリリース【英文】が発表されています。

 

 

■本件に関する問合せ先■
財団法人 日本適合性認定協会
総務部 CS
E-mail. CS@jab.or.jp
Tel.03-3442-1218 Fax.03-5475-2780

 

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