ISO 26000 Guidance on social responsibility (社会的責任に関する手引) について
2011年 3月 3日
公益財団法人 日本適合性認定協会
2010年11月 1日に、社会的責任に関する国際規格「 ISO 26000 Guidance on social responsibility ( 社会的責任に関する手引 )」が発行されました。
ISO ( International Organization for Standardization : 国際標準化機構 ) は、ISO 26000 の開発者として、この規格は認証を目的としたものではなく、認証のために用いてはならない旨の注意文書 [ ISO News, Ref.: 1378, 2010-11-30 ] を発信しています。
ISO 規格には、ISO 9001 品質マネジメントシステムのような、認証のために特別に開発された規格が数多くあり、認証機関がこれらの規格を用いて審査し、規格要求事項に適合していることに対して認証文書を発行することを意図しています。
しかし、ISO 26000 は、組織が社会的責任をどのように果たすかについての手引きを提供するものであり、その適用範囲には、ISO 26000 が認証に用いられるべきではないことが明確に述べられています。
ISO は、このことを以下のように強調しています。
- ISO 26000 の目的は、あらゆる種類の組織における社会的責任、持続性、及び倫理的な行いを国際的に促進することである。
- ISO 26000 に対する認証は、規格の意図や精神に相容れないものであり、行わない。
- いかなる ISO 26000 認証の主張も誤解を招くものであり、ISO 26000 に対する適合性を実証することにはならない。
- ISO メンバーは、ISO 26000 に対する認証を提供する組織について、ISO事務局に報告する。
- ISO は、メンバーに対しこれらを伝え、メンバーは自国において規制当局、利害関係者及び産業界に対してこれらを伝えることが求められる。
IAF ( International Accreditation Forum : 国際認定フォーラム ) も、2010年10月に上海で行われた総会において、ISO 26000 認証に対する次の決議を行っています。
- ISO 26000 は認証を意図しておらず、適切でもなく、いかなる ISO 26000 に対する認証の主張も規格の誤用であることを明確に述べている。
- 認証機関は、ISO 26000 に対する認証の促進や提供を行わないことを強く求められており、また、認定機関及び認証機関は、ISO 26000 の誤用や認証の要求に対して、ISO 事務局への報告が要請される。
以上のように、ISO 26000 に対する認証を求めたり、ISO 26000 認証を受けたと主張することは、ISO 26000 の意図・目的に沿っておらず規格の誤用となりますので、この点にご留意の上、ISO 26000 の適切な活用をお願いいたします。
[ 参考 ]
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