第17回 JAB/ISO 9001 公開討論会 報告 (概要)

2011年 6月30日
公益財団法人 日本適合性認定協会

2011年 5月30日、本協会主催による第17回 JAB/ISO 9001 公開討論会が、東京ビッグサイト・レセプションホール(東京都江東区)において、約500名の参加者を迎えて開催されました。

メインテーマ「QMS 能力実証型審査~真の有効性審査を求めて」設定の背景

ここ数年は、認証の社会的価値と信頼性の向上のために、組織・認証機関・審査員・認定機関それぞれが担うべき役割について検討を続けてきました。今年度は、これまでの検討内容を具体化するための方策として、組織と認証機関とが、組織が有すべき QMS 能力に関する共通認識をもち、品質マネジメントシステムの有効性を実証する「QMS 能力実証型審査」を主題に、「JAB/ISO 9001 研究会」において数ヶ月にわたり議論してきました。認証を受ける組織が提供する製品の品質保証に必要なQMS能力像を明らかにし、その能力を実証するための審査プログラム/審査の実施方法/組織にとっての価値について研究した成果を報告し、意見交換することといたしました。

基調講演「QMS 能力実証型審査~真の有効性審査を求めて」
東京大学大学院 工学系研究科 特任教授
飯塚 悦功 氏

冒頭で ISO 9001 認証制度の目的、制度利用者の期待、制度の質についての考察を踏まえて、ISO 9001 認証制度の社会的意義と責任を再度確認し、関係者がどのような行動をとるべきかについての見解が示されました。
今年度の研究会では上記見解を基盤に、認証制度は能力証明制度であり、1) ISO 9001 の意図に沿った QMS が機能していること 2) その結果として発揮できる「QMS 能力像」に適合しているかを評価することが本来の有効性審査ではないだろうか、等の議論が展開され、その実施方法としての「QMS 能力実証型審査」と実施の価値について、数か月にわたって検討したことを紹介しました。

以下は、ISO 9001 研究会メンバーによる研究報告の要約です。

WG1 QMS 能力実証型審査の基本的考え方と計画
発表者: ペリー ジョンソン レジストラー株式会社
取締役副社長 米岡 優子 氏

「QMS 能力実証型審査」の概念、組織が有すべきQMS能力像の明確化、審査プログラムへの展開などを考察した結果を報告しました。

「QMS 能力実証型審査」はこれまでの審査と本質的には見るところは同じであるが、受審組織のアピールにより「未来にわたって発揮できる能力」を証明して可視化することに意味がある、と説明。組織側と審査側がこの能力像を共有し、さらには消費者の理解も共有できれば、制度の信頼性向上にもつながるであろうと述べました。続いて QMS 能力像の描き方について、サービス業と製造業の2事例を参考に、製品の定義/顧客の定義/製品への要求事項の明確化/必要な QMS 要素・注目すべき QMS 要素の明確化、の順に沿って説明しました。最後に、今後 3年間の認証期間における審査プログラムを認証機関がどのように構成するかについて解説。審査におけるグランドデザインである審査プログラムについて、初回・維持・更新の認証サイクルでの運用方法と重要ポイントについて述べ、WG2の「QMS 能力実証型審査の方法と実施」へ引き継ぎました。

WG2 QMS 能力実証型審査の方法と実施
発表者: 株式会社 小林経営研究所
代表取締役 小林 久貴 氏

QMS 能力実証型審査の観点、審査の基準など審査の実施方法について検討した結果を報告しました。
WG1 で示された基本概念をもとに、実際の審査における検証プロセスを 1) QMS 能力検証のための評価項目を導く観点を明確化、2) 評価項目を導き出し評価基準を特定、3) 評価項目を確認する審査方法を計画、4)計画に沿って審査を実施、の4段階で解説。さらに評価項目を導き出すための「観点シート」の考え方を紹介し、2つの事例を使ってQMS 能力実証型審査における実証シナリオの考え方を説明しました。最後に、QMS 能力実証型審査における審査員の力量に関して課題が提示されました。

WG3 組織の視点での QMS 能力実証型審査の価値の追究
発表者: 日本検査キューエイ株式会社
審査第2部長 勝俣 宏行 氏

WG3 では、有すべき QMS 能力像を組織自らが理解し実証することで、組織にとって価値のある審査が実現可能となることを検討した内容について報告しました。

組織は、審査の価値観が審査側と共有でき、組織のパフォーマンス改善に繋がり、審査員の認識する QMS モデルとのギャップを埋められるような審査を期待していていると説明。そして、QMS 能力実証審査によってこの期待が実現可能であるとの考えを述べ、食品メーカーを事例に、具体的な実証方法を紹介しました。重要な品質特性の理解/関連する注目すべき QMS 要素の特定/注目すべきQMS要素の実証等を順序立てて受審側の目線で解説しました。最後に、QMS 能力を実証できる品質マニュアルづくりの提言を行い、報告を締めくくりました。

午後は、WG 発表 3名の方々及び ISO 9001 研究会メンバーから 株式会社テクノファ 平林 良人氏、TDK 株式会社 森下 裕一氏、ヤマサ醤油株式会社 五十嵐 誠氏、本協会認定センター長 久保 真が加わり、飯塚教授をコーディネーターとしたパネルディスカッションが行われました。パネルディスカッションでは、討論会開催前に JAB ウェブサイトに掲載された資料について出された質問・コメントへの回答が示されるとともに、会場参加者と意見交換が行われました。

当日使用したテキスト及び事前に寄せられた質問項目とそれに対する回答は、以下の資料をご覧願います。
参加者の皆様には、この場を借りまして厚く御礼申し上げます。

 

第17回 JAB/ISO 9001 公開討論会

 

■本件に関する問合せ先■
公益財団法人 日本適合性認定協会
総務部 CS
E-mail. CS@jab.or.jp
Tel.03-3442-1210 Fax.03-5475-2780

 

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