第4回 放射能・放射線技術セミナー開催報告

2012年6月18日
公益財団法人 日本適合性認定協会

本協会は、放射能・放射線測定に関する測定結果の信頼性を確保するための技術セミナーをシリーズで開催しております。これまでの同セミナーでは、

  • 第1回 (2011年8月24日) : NaI (Tl) シンチレーション検出器を用いた測定法について
  • 第2回 (2012年1月18日) : 放射性表面汚染について
  • 第3回 (2012年3月5日) : 放射性核種分析

をテーマに、情報提供を実施してきました。今回は「放射性表面汚染測定及び空間線量率測定」に焦点を当て、4月25日に品川区立総合区民会館 きゅりあん 1F 小ホールにて第4回セミナーを開催しました。

1. 福島第一原発由来の放射能問題を取り巻く現状と課題

東京都市大学 名誉教授 平井 昭司氏

環境及び工業製品の表面汚染等・諸外国の規制状況・放射性物質汚染対処特措法・測定方法ガイドラインなどについて解説いただきました。

2. JAB RL363 放射能・放射線測定を行う試験所・検査機関の認定指針-放射性表面汚染測定、空間線量率測定-

公益財団法人 日本適合性認定協会 認定センター 植松 慶生

適正な放射性表面汚染測定、空間線量率測定実施のために、試験・検査機関として順守すべき事項を認定指針として発行した旨と、その詳細な解説が行われました。

*なお、本文書は現在、空間線量率測定器の使用に関する要求事項について見直し作業中です。

3. 放射性表面汚染測定と空間線量率測定-JAB RL363 関連-

公益社団法人 日本アイソトープ協会 中村 吉秀氏

はじめに検出器の原理や構造、放射性表面汚染測定に関する基礎知識と JIS 規格などを解説。続いて、検出限界係数率の算出例を示すなど、直接現場に役立つ情報を提供いただきました。

4. 放射性表面汚染測定器と空間線量率測定器の校正について

公益財団法人 放射線計測協会 総括計画管理室 本多 哲太郎氏

測定器の種類と用途を踏まえながら詳細に解説いただきました。放射性表面汚染測定器の校正に関しての測定器に求められる性能、測定器校正の注意点、機器効率試験の実際、計測・計量のトレーサビリティと校正の不確かさについて、具体例を挙げて説明されました。

5. パネルディスカッション 「放射性表面汚染及び空間線量率測定の技術的課題」

平井氏、中村氏、本多氏、黒澤忠弘氏 (独立行政法人 産業技術総合研究所) 、柚木彰氏 (独立行政法人 産業技術総合研究所) 、JAB 植松の6名が、参加者から事前に募集した20個の質問について、議論する形で進行しました。

試験に携わる方々が平素抱いている質問・疑問に直接回答する形式で実施し、前回にも増して参加者からの活発な質疑応答がありました。より測定現場に近い講演内容は、各参加者にとって、国内外から求められている信頼性の取り組みへの参考となりました。

 

第4回 放射能・放射線技術セミナー風景

次回 (第5回) セミナーは7月31日に、同じく「きゅりあん」にて開催予定です。詳細につきましては別途、本ウェブサイト上でご案内いたしますので、ご参加をお待ちしております。

 

本件に関するお問い合わせ先
公益財団法人 日本適合性認定協会
総務部 CS
E-mail. CS@jab.or.jp
Tel.03-3442-1218 Fax.03-5475-2780

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