第18回 APLAC ( アジア太平洋試験所認定協力機構 ) 総会報告
2013年 2月21日
公益財団法人 日本適合性認定協会
2012年12月3日から12月7日までの日程で、シドニー市 (オーストラリア) において 第18回APLAC 総会及び付属委員会会議が開催されました。これらの会議の概要は下記のとおりです。
記
1.日程
12月 3日: APLAC20周年記念式典、セミナー、技術委員会、教育訓練委員会
12月 4日: 技能試験委員会、広報委員会
12月 5日-6日(am): 第30回 MRA Council会議
12月 6日-7日(am): 第18回 APLAC総会
2.場所
Crowne PlazaHotel Coogee Beach, シドニー市 (オーストラリア)
3.概要
1.APLAC 20周年記念式典及びセミナー
1.1 APLAC 20周年記念式典
1992年にAPLACがフォーラムとして誕生し、本年で20周年を迎えるため、総会等に先立ち20周年記念式典が開催された。式典には、初代から第6代(現役)までの6名(Mr. John Gilmour, Dr. Llew Richards, Mr. Peter Unger, Mr. Tonny Russell, Mr. Terence Chan, Ms. Kwei Fern Chang)が集まり、それぞれの苦労談や面白エピソードなどが紹介された。
1.2 マーケティングとコミュニケーションセミナー
ILAC MCC/IAF CMC の議長であるJon Murthy (UKAS)より、マーケティングマテリアルの基本とベストプラクティスについてのプレゼンテーションが行われた。
認定利用の活用、規制当局との関係、利害関係者とのネットワーク、認定価値の向上という話題で話が進められた。Webサイト運用の重要さについての魅力的なプレゼンであり、認定機関のWebサイト運営に大きな影響を受けた内容であった。
重要なキーワードは、カラーナビゲーション、サイトマップ、ドロップダウン、ブロッシャービデオであり、トップページの次のページ(Secondary page) が理解できる内容であることが重要であるとのこと。ページ構成は3クリックまで、しかもフラットな構成が良いとの説明がされた。
また、認定機関が国内向けに様々な情報を展開することは重要であるが、海外貿易先国に対する情報発信はさらに重要であることを認識する必要がある。海外認定機関は他国の受け入れをする際に、相手国の認定機関の情報が必要となる。そのためには海外向けの言語 (英語は無論、主要な貿易国の言語) での紹介も必要であることを痛感させられた。
2.第18回APLAC総会
2.1 APLAC理事改選及び広報委員会議長選挙
今回の会議でAPLAC議長、MRA Council議長、理事 3名及び各委員会議長について改選があり、選挙を行った。選挙の結果、APLAC 幹部会メンバーは次のとおりとなった。
APLAC議長: Mr. Nigel Jou (TAF;台湾)
APLAC前任議長: Ms. Kwei Furn Chang (SAC; シンガポール)
APLAC理事:
Mrs. Chomchailai Sinthusarn (DMSc; タイ)
Mr. Barry Aschcroft (IANZ; NZ)
Mr. Wang Wah Wong (HKAS; 香港)
Mr. Anil Relia (NABL; インド)
植松 慶生 (JAB; 日本) 任期1年
MRA Council議長 : Ms. Roxanne Robinson (A2LA;米国)
教育訓練委員会議長: Ms. Zhang Mingxia (CNAS;中国)
広報委員会議長: Mr. Roger Muse (ACLASS;米国)
技能試験委員会議長: 奈良 広一 (IAJapan;日本)
技術委員会議長: Mr. Trace McInturff (A2LA;米国)
APLAC事務局長: Mr. Michael Fraser (NATA ; 豪州)
2.2 APLACメンバー近況
2012年10月31日現在のAPLACメンバー機関数は次のとおり。
正規メンバー: 38機関 (24経済地域) ― 昨年から1機関増
アソシエートメンバー: 8機関 (5経済地域) ― 昨年と変わらず。
APLAC MRA署名機関 (APLAC 正規メンバー): 35機関 (22経済地域)
試験:33機関
校正:26機関
検査:14機関
臨床:14機関
RMP: 6機関
なお、昨年総会以降、NABCB (インド)が正規メンバーに、NAFP (ブータン)がアソシエートメンバーに加わり、MNAS (モンゴル) 及びQMP-LS (カナダ)が新たにAPLAC MRA に署名した。
2.3 APLAC 2012総会における主な議論
- PAC (太平洋認定機関協力機構)との連携 APEC/SCSC の地域専門家機関間の連携強化の一環としてPACとの将来の協力についてこれまで話し合いがもたれ、昨年会議で合同総会を開催することを合意したことを受け、本年の総会では2014年のメキシコ会議から合同総会を開催することの是非について議論した。APLACメンバーでは、試験所認定のみを行う認定機関が相当数あり、それらの機関からは期間延長によるデメリットはあるものの合同総会開催のメリットがないとして反対意見があった。採決の結果、2014年総会 (メキシコ)及び2015年 (スリランカ)総会は合同総会を開催することを決議。2016年以降については2014年以降の合同総会の結果を見てPACとAPLACの協議により合同総会を継続して開催するかどうか判断することとした。
- 財務報告、予算: 2011年の収支は、予算ではUSD 141,550の赤字の予定であったが、IAF/ILACバンコク総会の中止により、その額はUSD 15,836に減少した。2012年の収支状況報告では、収入USD 401,380 (383,000)、支出USD 463,225 (521,327)、収支△61,845 (△138,327)で、こちらも会費収入増と支出減により収支赤字額が縮小した。2013年予算は次のとおり承認された。なお、予算が毎年赤字計上であるのは、準備金が予算額を超えているため。
- 収入: USD 405,000
- 支出: USD 586,130
- 収支: USD △181,130
- APLACの財務運営は、これまで米ドルベースで行ってきたが、この度、豪ドルへの移行が提案され、承認された。通貨変更の理由は、APLACの支出の70%以上が豪ドル (APLAC事務局の運営経費及び旅費等)であること及び米ドルでの収入と豪ドルでの支出のミスマッチによる為替差損のリスク軽減である。また、ILACの財務運営も豪ドルで行われていることもあり、2014年から豪ドルでの運営とすることとなった。
- 広報委員会から提案のあったAPLAC Tag Line (スローガン) ”Gateway to Global Acceptance”が承認され、2013年からウェブ改修や様式変更が行われる。
- APLACウェブサイトにAPLAC評価員用のページを設け、過去の評価報告書や技能試験の成績などの情報を共有する。
- 技能試験プロバイダの認定について、APLAC MRAへの署名条件として「申請認定機関が試験又は校正の分野(ISO/IEC 17025認定)で既にMRA署名を行っていること」が合意された。また、技能試験プロバイダ認定のMRAについては、2013年から受付け開始の予定であったが、スコープの書き方にもう少し議論が必要なためにこの作業の進捗を待って次の総会で受付け開始時期を判断することとなった。
- APLACの検査機関認定MRAは、昨年までのILACによるAPLAC評価の結果、EA, IAACとともにILAC MRAに認められた。この署名式は、10月に開催されたIAF/ILAC合同総会時に開かれ、APLAC MRA加盟認定機関も署名した。
3. 今後の会議開催予定
- 2013年APLAC総会 (第19回): ダナン市 (ベトナム)
- 2014年APLAC総会 (第20回): メキシコ (PACとの合同総会)
- 2015年APLAC総会 (第21回): スリランカ (PACとの合同総会)
4. 会議概要 (詳細)
APLAC 2012総会及び付属委員会会議の詳細はこちらをご覧ください。
APLAC2012総会報告(PDF 68KB)
以上
本件に関するお問い合わせ先
公益財団法人 日本適合性認定協会
認定センター LAB
E-mail. info-lab@jab.or.jp
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