第22回 PAC (太平洋認定協力機構) 総会参加報告
2015年8月25日
公益財団法人 日本適合性認定協会
2015年6月12日から19日、コロンボ(スリランカ)にて第22回 PAC 総会が開催されました。主要事項について、概要を報告いたします。
1. 技術委員会 (Technical Committee Meeting)
- PAC技術文書
PAC TECH文書(001:クロスフロンティア、002:PAC技術員会構造・運営)の改定案に関する議論がされ、編集上の修正が主で、会議後に即日発行された。
- EnMS(エネルギーマネジメントシステム)のISO/IEC 17011適用に関する文書
文書が必要との意見が多勢を占め、今後のMLA(相互承認)開始に向けた文書開発を早急に行うこととなった。本文書開発、相互評価プロセスを明確化したのち、MLA申請受付を開始することが確認された。
- その他WG活動
製品認証WG、オーガニックWG、ハラルWGのそれぞれの活動報告がされた。
- IAF技術委員会およびISO/CASCO(ISO適合性評価委員会)活動
ISO/IEC 17011の改正作業について、適用範囲に妥当性確認・検証機関を含めること、規格構造については他のCASCO文書との整合化がはかられることなどの紹介がされた。そのほか、CASCO WG42(GHG)などに係る活動報告があった。
2. 技術委員会作業グループ(Technical Committee Working Groups)
- 要員認証
WGのToR(ワーキンググループの委託事項)案に関する内容、ISOのガイダンス文書、IAFによるISO/IEC 17024:2012(要員認証機関の要求事項)運用に関する調査、要員MLAの状況等における課題に対して意見交換が実施された。
- ハラル認証
国際動向の紹介、OIC(ムスリム諸国で構成)に属さない国も含まれる本WGで議論する意味やWGの目的について意見交換がされた。
- オーガニック認証
EU規制下の限定文書を一般向け文書とすること、また、この文書はスキーム開発側・規制側・認証機関側等それぞれの立場に指針を示せるようにすることが決定した。
3. 能力開発委員会 (Capacity Building Committee Meeting)
- トレーニング対象となる関連基準をMLAのレベルに応じて、1から5に整理し、明確にした。開発途上国や、これから認定機関を立ち上げる国に対し、ISO/IEC 17011のトレーニングを行う。
- PTB(ドイツに本部を置くファンド・研修提供機関)支援による過去のトレーニング実績の報告があった。2015-2016年の計画としてISO/IEC 17021、ISO 9001、ISO 14001の3規格変更に関する認定機関向け研修が提案された。
4. CMC 委員会 (Communication and Marketing Committee Meeting)
- PAC ニュースレターを作成するWGメンバの参加募集がされ、次回発行分から活動開始される予定。
- APLAC PIC(APLAC広報委員会)との合同会議において、2015年4月にワシントンDCで開催されたIAF-CMC/ILAC-MCC(IAF/ILAC合同広報委員会)会議の報告がされた。
- 世界認定推進の日(WAD 2015)に関連した日本の活動として、7月29日に開催のJLAC技術情報セミナーの概要が紹介された。HKAS(香港)、TAF(台湾)からもWADに関連するイベントについての紹介がされた。
5. 相互承認 (MLA) グループ会議
- PACに対するIAFによる相互評価
IAFによる4年毎の評価に対する指摘事項の対応について、おおむね完了段階にあることが報告された。
- PAC 相互評価員
相互評価員の資格、訓練状況の報告がされた。PACメンバ認定機関に対し、PAC相互評価に対応するリソースとして、相互評価員や技術専門家の提供依頼がされた。特にISMS、要員に関する相互評価員の不足に対する協力依頼がされた。
- ISMS、FSMSのIAF MLAについては、IAFに拡大申請をすでに提出し、IAFで審議中であることが報告された。
6. 総会
- PACメンバーは2015年6月現在、正会員32、準会員5、オブザーバー3、その他1で、合計40組織となった。
- 本年は20周年を迎え、これを記念して歴代のPAC議長から挨拶があった。本協会の元専務理事・井口新一も、前PAC議長として挨拶を述べた。
7. APLAC(アジア太平洋試験所認定協力機構)/ PAC 合同総会
- PAC-EC/APLAC-BoM(PAC/APLAC合同理事会)、PAC-MLA MC/APLAC-MRA(PAC/APLAC合同相互承認評議会)、PAC-CMC/APLAC-PIC(PAC/APLAC合同広報委員会)など、PACとAPLACの合同会議にてAシリーズ文書の改定、相互評価、世界認定の日テーマ、トレーニング等に関する活動報告がされた。
- 次回総会は2016年 6月11日~18日に台北(台湾)において、TAFがホスト認定機関としてAPLAC/PAC合同で開催する。2017年は、タイでの開催を予定している。
以上
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