第22回 APLAC (アジア太平洋 試験所認定協力機構) 総会参加報告

2016年8月24日
公益財団法人 日本適合性認定協会

2016年6月13日から17日まで、台北(台湾)にて第22回 APLAC 総会が開催されました。主要事項について、概要を報告いたします。

1. 総会(General Assembly)

  • APLAC理事改選
    APLAC議長、APLAC理事及び付属委員会委員の改選があり、ほとんどの役職が新任となった。新APLAC執行部体制は次のとおり。
    APLAC 議長:Mr. Wong Wang Wah(HKAS)新任
    MRAC議長:Dr. Liew Richards (IANZ) 新任
    理事(BoM): Ms. Jennifer Evance (NATA) 再任
    Mr. Trace McInturff (A2LA) 新任
    Mr. KuKuh Achmad(KAN)新任
    技能試験委員会(PTC)委員長 : Mr. He Ping(CNAS)新任
    広報委員会(PIC)委員長:山本忠子 (IAJapan) 再任
    技術委員会(TC)委員長:Mr. Bradley Moore (NVLAP) 新任
    教育訓練委員会(TRC)委員長:Ms. Wanji Yang (TAF) 新任
  • APLACメンバシップ
    APLACメンバシップについては、正規メンバ:44機関)-MRA(相互承認)メンバ:38機関(23経済地域)、アソシエートメンバ:10機関となった。
  • その他総会議論
    APLAC技能試験プログラムの継続にかかる審議
    APLACがその設立当初から運営しているAPLAC技能試験プログラムについて、APLAC理事会からAPMP/APLAC PTプログラムを除き、認定機関は技能試験を2017年に中止する方向性を提案。これに対し技能試験委員会及び多くのメンバ機関から反論があり、審議。JABからAPLAC技能試験の目的とその必要性の再確認、ISO/IEC 17011改定に基づく利害抵触問題の検討、予算措置を含む将来のAPLAC技能試験プログラムの運営方法の見直しが必要と提案、承認された。次回技能試験委員会での検討後、総会で再議論する。アメリカ、湾岸、アフリカ等の地域機関からもAPLAC技能試験に参加しており、これらの地域からもAPLAC技能試験プログラムの継続が求められている。

2. 相互承認評議会(MRA Council)

  • 相互承認評議会が開催され、相互評価報告内容の審議がされた。 今回の審議結果を含めたMRA分野ごとの署名認定機関数は以下の通りとなった。( 2016年5月時点)

 

MRA分野

認定機関数

MRA分野

認定機関数

試験所

35

検査機関

18

校正機関

27

標準物質生産者

14

臨床検査室(15189)

17

技能試験提供者

11

  •  相互評価員
    最新の相互評価員登録簿の確認がされた。主任評価員:37名、評価員:35名、Provisional:53、エキスパート13名、ノミネート:5名となっている。
  • ISO/IEC 17011改定の進捗に伴い、2017年に3日間トレーニングコースが開催される。
  • ILAC MRA- 技能試験提供者(PTP)認定のMRAについてILAC MRA評価が始まり、早ければ2017年にもILAC MRAが署名される見込み。

3. 教育委員会 (Training Committee )

  • 研修開催報告
    臨床検査分野の認定機関職員向け研修が2016年1月にバンコクで開催されたことが報告された。
  • 研修予定
    2016年11月に RMP/PTPのワークショップ(4日間)が開催される。ワークショップにはREMCOの専門家も招待し、17034、Guide 35、Guide 30/31、TC008、スコープなど、17043、13528、17011のインパクトなどについて議論予定。
  • そのほかの議論
    2016年に2018年~2022年の教育に関するニーズ調査を行う。また、PTB(独)と協力して開発国の支援を行うための教育訓練プログラムを実施する予定。

4. 広報委員会 (Public Information Committee )

  •  APLAC News Notesは年4回から、年2回の発行に見直しした。APLAC事務局がAPECやそのほかの機関の最新情報などを盛り込んだ内容にする。

5. 技術委員会 (Technical Committee)

  • 標準物質生産者SC (SC=Sub Comittee)
    ILACでAPLAC TC008に相当する文書を持たないことについてその必要性を議論。APLAC TC008をたたき台としてILAC AICに文書作成を提案することを合意。 
  • 臨床検査室SC
    ”Pre-examination process”の認定に関するガイドを作成中であり、会議後にTCメンバコメント(60日間)に出す予定である。また、前回会議でSCのカバー範囲をMedical Imaging やPhysiological Testingに拡大することが承認されており、今後活動をこれらの分野に広げていく。
  • 校正SC
    APLAC T010 測定のの不確かさに関する一般情報の必要性について議論。ILACが現在不確かさのパンフレットを作成中であり、その進捗を見て内容の精査を行い、重複するようであれば削除することも含め改訂を検討することを合意。
  • 技能試験提供者SC
    技能試験提供者のスコープに関する文書、PTPのリモート審査に関する文書について、両者ともに次のTC会議前にTCに提示予定で、TCメンバにコメントを求める予定であることが報告された。
  • APEC TEL MRA SC
    米国連邦通信委員会(FCC)が、ISO/IEC 17025認定取得を試験所に課す予定であること及びこの場合、認定の承認は政府間MRAでのみ実行されることの情報提供があった。
  • 技能試験SC
    技能試験提供者のスコープに関する文書、PTPのリモート審査に関する文書について、両者ともに次のTC会議前にTCに提示予定で、TCメンバにコメントを求める予定であることが報告された。
     
  • APEC TEL MRA SC
    米国のFCC規制の変更に関して、FCC文書に沿ってEMC試験を実施しているすべての試験所は2016年7月13日までに認定され、政府間MRAを通して指定されなければならないことが報告された。
  • 試験の不確かさWG
    不確かさWG…TC004改定、TC005改定について、TCメンバコメントに回送される予定であることが報告された。ILAC G17の作業に関してはILACがISO/IEC 17025改定作業の結果を待ってからとしているため作業を中断している。しかし、ISO/IEC 17025改訂では不確かさの報告について詳しく示さないようであり、JABはG17改定の再開をする必要があると考えている。
  • ソフトウェア試験WG
    WG主査からソフトウェア試験のガイドライン作成について進捗報告があった。これまでソフトウェア試験の認定実績は既にあり、これまで問題が生じていないのでこの文書の必要性がないのではとの意見あったが、再度コメントを見直し、ドキュメントを更新して、60日のTCメンバコメントにかけることを合意。

6. 技能試験委員会(Profociency Testing Committee)

  •  APLAC技能試験の継続
    APLAC理事会から提案があったAPMPとの合同プログラムを除くAPLAC技能試験の中止について議論。APLAC技能試験委員会としては、APLAC技能試験はメンバ及び他の地域機関にとって利用価値の高いものであることを確認。全員一致でAPLAC技能試験継続を支持。なお、APMPとの合同技能試験プログラムはAPLAC技能試験プログラムの参照値に計量トレーサビリティを与えるとともにプログラムの欠陥などについての考察のヒントを与えるものであり、有益なものであることを再確認した。
  • 技能試験の参加頻度
    技能試験への参加頻度を規定するAPLAC PT006の改訂について議論している。APLAC PT006は“Proficiency Testing Frequency Benchmark”というタイトルであるが強制力を持っていないため、強制化するかどうかについて再議論。強制化はできないという結論で、調査結果を表したものであることを明確にしてガイド文書とするよう改定を進める。

7. APLAC/ PAC (アジア太平洋認定協力機構)合同総会

  • APLACとPACの統合
    これまで3年間にわたりAPLACとPACの合同総会を開催している。APLACとPACの将来の関係について議論を重ねた結果、3年以内に統合することが了承された。この統合は新団体の設立という形で実施される。
  • 次回総会は2017年 6月16日~24日にバンコク (タイ) で、APLAC/PAC合同で開催する。2018年は、日本で開催することとなった。

以上

本件に関するお問い合わせ先
公益財団法人 日本適合性認定協会
認定センター LAB
E-mail. info-lab@jab.or.jp
Tel.03-3442-1217, Fax.03-5475-2780

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