第15回 IAF/ILAC合同総会報告~IAF編

2016年12月16日
公益財団法人 日本適合性認定協会

IAF (International Accreditation Forum)は、適合性評価機関を認定する機関及び関係機関で構成される国際組織である。その目的は、適合性評価機関が業務にふさわしい力量をもち、利害抵触のない場合のみ認定を行うことである。さらに、認定機関間で相互承認(MLA: Multilateral Recognition Arrangement)を行い、認定された認証が世界中で信頼されるようにすることにより、ビジネスや顧客にとってのリスクを低減することである。

現在、IAFではマネジメントシステム(MS)認証、製品認証、要員認証、温室効果ガス(GHG)妥当性確認/検証等の分野を取り扱っている。試験所を認定する機関で構成されるILAC(International Laboratory Accreditation Cooperation)とは協力関係にあり、例年合同総会を開催している。

ここでは、2016年10月26日から11月4日にかけてニューデリーで開催された第15回合同総会について、IAF側で行われた主な議論を報告する。

IAFのメンバー

現在、IAFには78の認定機関メンバーと18の関連機関メンバーが加盟している。IAFの認定機関メンバーのうち、MLAに調印している者をMLAメンバーといい、今回の総会でブルガリア、イランの認定機関が新しく調印を行い、MLAメンバーは63機関となった。

IAF MLA

IAF MLAは表1に示す5層の区分で構成されている。レベル1は全ての認定機関に適用される基準(ISO/IEC 17011)を規定する。レベル2の活動とレベル3の基準の組合せをMLAのメインスコープとし、レベル4及びレベル5の基準の組み合わせをサブスコープとする。メインスコープMLAは、適合性評価機関による証明(attestation)が同等に信頼できる(equally reliable)ことを意味し、サブスコープMLAは適合性評価機関による証明が同等(equivalent)であることを意味する。表2は現時点でIAF MLAがカバーする範囲である。MS認証では、ISO 9001やISO 14001が古くからMLAの対象となってきたが、昨今、様々なMS規格がサブスコープMLAの対象となり、今回の総会ではISO 50001(エネルギーMS)が新しくサブスコープMLAの対象として追加された。製品認証はこれまでメインスコープMLAとして取り扱われてきたが、2015年にサブスコープMLAの対象としてGlobalG.A.Pが承認された。要員認証、GHG妥当性確認/検証はメインスコープMLAで、現時点でサブスコープMLAの対象となる基準はない。

IAF MLAは、ISOや規制要求事項などの公共の規格/基準だけではなく、民間のセクタースキームで取り扱われる基準も対象とする。IAF MLAの対象は現時点では主にISOであるが、数年前より民間のセクタースキームへMLAを広げようという動きが出ており、今回の総会で一定の進捗があった。今回の総会で、GFSI (Global Food Safety Initiative)承認スキームに関する検討が完了し、GFSI承認スキームをMLA対象とすることができるという結論が示された。今後、スキームオーナーの申請に基づき、MLA対象として承認されることになる。

さらにIPC (International Personnel Certification Association)より申請があり、スキームをMLA対象とすることができるかどうかの評価を開始することが報告された。これにより、現時点ではメインスコープMLAである要員認証が、近い将来、サブスコープMLAに広がる可能性が出てきた。

また、FAMI-QSからも申請があり、該当のスキームに対する評価を開始することも報告され、MS認証のサブスコープが追加となる可能性が示された。

認定範囲内での非認定認証の禁止

認定された認証と非認定の認証の双方が市場に出回り混乱を招いているという問題意識から、IAFでは2015年の総会でMS認証に対し認定範囲内での非認定認証を禁止する決議を行った。これに加え今回の総会では、認定されたMS認証と非認定のMS認証を区別するために、MSの認証書には認定シンボルを付けるか認定状態が参照されるようにすることを決議した。MS認証機関が発行する認証書がこの条件を満たしていない場合、3年以内に対応をしなければならない。

関連基準の制改訂への対応

認定・認証基準に採用されるISOの制改訂が行われる場合、IAFでは認定・認証の新/改訂版への移行期限を定め、メンバーはそれに従い期限内での移行を行う。今回の総会では、ISO 45001(労働安全MS)が近々発行されることを受け、OHSAS 18001:2007に対する認定を受けた認証を、ISO 45001認証に移行する期限を発行後3年とすることを決議した。

また、ISO 14001認証に対する認定基準として採用されているISO/IEC 17021-2の改定に対応し、認定の移行を改訂発行日(2016年11月25日)より2年と決定した。

さらに認定機関に対する要求事項であるISO/IEC 17011の改定が進められていることを受け、各認定機関は新版への対応を改訂後3年以内に行わなければならないことをILACと合同で決議した。

認定機関間の整合

認証機関から認定機関間に不一致がある、例えば同じ認証機関に対し認定機関によって審査所見が異なるという問題提起があり、IAFではここ数年議論を重ねてきた。今回の総会では、SNSを利用してIAFメンバー間の議論の場(IAF Consistency Forum)を開設し、当事者間で解決できない問題を、IAFメンバーで議論できる場を提供したことが報告された。

認定審査員の力量

IAFでは2016年に認定審査員の力量に関する基準(IAF MD 20)を規定し、IAFメンバー認定機関は対応を行っているところである。今回の総会会期中に、IAF MD20の適用に関するワークショップが開催され、4つの認定機関が事例紹介を行うとともに、基準に基づきどのように力量を評価すべきかの議論が行われた。

なお、IAF MD 20は認定審査員の一般的な力基準を定めるものであるが、要員認証に係る認定審査員に必要な力量基準を開発するための作業を、今後開始することとなった。

認定を受けたMS認証のデータベース

IAFでは認定を受けたMS認証のデータベースを構築するための委員会を設置し、活動を進めている。ISOが同様のデータベース構築を計画したものの中止となったため、それを引き継ぐ形で開始された活動である。既にデータベースで達成すべき原則を整理し、今後は専門のコンサルタントを雇い、詳細を詰めていく予定である。

 

表1: MLAの5層の区分

レベル1 すべての認定機関に適用される基準 (ISO/IEC 17011) 
レベル2 認定活動の種類:
MS認証、製品認証、要員認証、GHG妥当性確認/検証
メインスコープ
  • 適合性評価機関による証明が同等に信頼(equally reliable)できる
レベル3 認定基準:
ISO/IEC 17021-1 (MS), ISO/IEC 17065 (製品),
ISO/IEC 17024 (要員), ISO 14065 (GHG)
レベル4 レベル3基準の適用のための分野特有の基準:
ISO/IEC 17021-2 (EMS), ISO/IEC 27006 (ISMS), ISO/TS 22003 (FSMS) など

サブスコープ
  • 適合性評価機関による証明が同等(equivalent)である
レベル5 適合性審査に用いられる基準:
ISO 9001, ISO 14001, ISO 13485, ISO 22000, ISO/IEC 27001, 製品規格 (GlobalGAP) など

表2: IAF MLAの範囲

  認定活動の種類
マネジメントシステム認証 製品認証 要員認証 GHG妥当性確認/検証
メインスコープ ISO/IEC 17021-1 ISO/IEC 17065 ISO/IEC 17024 ISO 14065
サブスコープ
(レベル5)
ISO 9001 (QMS)
ISO 14001 (EMS)
ISO 22000 (FSMS)
ISO/IEC 27001 (ISMS)
ISO 13485 (MD-QMS)
ISO 50001 (EnMS)
GlobalG.A.P.  ―  ―

 以上

本件に関するお問い合わせ先
公益財団法人 日本適合性認定協会
認定センター CB
E-mail. info-cb@jab.or.jp
Tel.03-3442-1214 Fax.03-5475-2780

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