【報告】株式会社神戸製鋼所の性能データ改ざんに関連する本協会の試験所認定について
2017年11月21日
公益財団法人 日本適合性認定協会
2017年10月に発覚した株式会社神戸製鋼所のデータ改ざん問題に関し、株式会社コベルコ科研及びその他の関連会社の関与が疑われたため、ISO/IEC 17025に基づき本協会が認定し、株式会社神戸製鋼所と資本関係にある試験所について、データ改ざんへの関わりについて調査を行いました。 一連の調査結果について、以下のとおり報告します。
1. 対象試験所
本協会がISO/IEC 17025に基づき認定している試験所で、株式会社神戸製鋼所と資本関係にある試験所は次に示す8試験所です。
試験所(機関名称) | 認定番号、試験分野 | ||
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株式会社コベルコ科研 | 加古川事業所 | RTL00050 化学試験 | |
材料試験室 | RTL04230 機械・物理試験 | ||
機械・プロセスソリューション事業部 | RTL01880 機械・物理試験 | ||
神鉄事業所 | RTL02480 機械・物理試験 | ||
分析室 | RTL02760 化学試験 | ||
高砂事業所 | RTL02020 機械・物理試験、化学試験、電気試験 | ||
神鋼溶接サービス株式会社 | RTL03880 機械・物理試験、化学試験 | ||
日本高周波鋼業株式会社 | 富山製造所 | 化学分析試験所 | RTL00640 化学試験 |
2. 書面による調査
対象試験所に対し10月11日(日本高周波鋼業株式会社は10月19日)に書面による調査を実施し、各試験所からの回答を10月20日までに回収しました。その結果、全ての試験所が今回の改ざんについて関与していないことを書面による回答にて確認いたしました。
3. 現地調査
対象試験所のうち、株式会社コベルコ科研 高砂事業所 及び 日本高周波鋼業株式会社については、株式会社神戸製鋼所のウェブサイトにてその関与が公表されたことから、書面による調査に加えて、現地調査を実施しました。
現地調査の結果、2機関ともデータ改ざんに関与していないことを確認いたしました。調査の概要はそれぞれ以下のとおりです。
RTL02020 株式会社コベルコ科研 高砂事業所 |
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【調査の結果】 同試験所は、一連のデータ改ざんには関与しておらず、同試験所と同じ敷地内にある同社のターゲット事業本部が関与している事実を確認しました。このことは、本年11月2日付にて株式会社神戸製鋼所がホームページに訂正記事を発表していることからも確認可能です。 |
RTL00640 日本高周波鋼業株式会社 富山製造所 化学分析試験所 |
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【不適切行為の内容】 2008年6月~2015年6月の期間中に、一部の特殊鋼製品の機械的性質試験結果について、顧客と交わした協定仕様から一部外れているにも関わらず、当該仕様に適合するよう検査証明書(ミルシート)のデータ書き換えを行ったという事実がありました。 |
【調査の結果】 認定対象の試験所は富山製造所直下の技術部検査室に所属しており、機械的性質試験は同検査室下の認定対象組織とは別の材料検査班で実施されていました。機械的性質試験の結果は、技術部からは独立した品質保証室に送られた後、そこで改ざんが行われておりました。また、改ざん後のデータは検査室では確認できない仕組みであることから、検査室に対して責任を問うことはできないと判断いたしました。 |
4. 結論
以上のとおり、書面による調査及び現地調査の結果、株式会社神戸製鋼所関連の本協会の認定試験所は、今回のデータ改ざんには関与していないことを確認いたしました。このため、認定の一時停止や取消しなどの処分は実施しない方針です。 ただし、今後も株式会社神戸製鋼所の外部調査委員会による調査結果等を注視しますとともに、認定試験所に何らかの疑義が発生した場合には、さらに現地調査を実施するなど必要な処置を実施する予定です。
以上
本件に関するお問い合わせ先
公益財団法人 日本適合性認定協会
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