自動車業界向け 試験報告書・校正証明書について 【IATF 16949】

2018年12月11日
公益財団法人日本適合性認定協会

JABに認定された試験所・校正機関が発行したものは
IATF 16949:2016 に対応しており有効です

自動車業界から「IATF 16949 に対応した報告書がほしい」と要請されることが最近増えているようです。JABに認定された試験所・校正機関が発行した試験成績書・校正証明書は、その要請にこたえる有効なものですから、安心してご利用ください。以下に、 御説明いたします。


IATF [注1]は、欧米の自動車工業の団体 [注2]です。IATF が制定した自動車産業品質マネジメントシステム規格が IATF 16949 として知られています。以前は “TS 16949” という略称でも知られた、自動車産業固有要求事項を取り込んだ ISO/TS 16949:2009 というセクター規格がありました。一般的なマネジメントシステム ISO 9001 が 2015年に改定される際に、 “TS 16949” を前身とする IATF 16949:2016 [注3] が発行されました。

IATF 16949:2016 の 7.1.5.3.2 項 に次のような要求事項があります:

「組織が検査、試験、又は校正サービスに使用する、外部/商用/独立の試験所施設は…(中略)…, 次の事項のいずれかを満たさなければならない.

― 試験所は, ILAC MRA (International Laboratory Accreditation Forum Mutual Recognition Arrangement-www.ilac.org) の認定機関 (加盟機関) によって ISO/IEC 17025 又はこれに相当する国内基準(例として、中国のCNAS-CL01) に認定され, 該当する検査, 試験, 又は校正サービスを認定 (認証書) の適用範囲に含めなければならない. 校正又は試験報告書の認証書は, 国家認定機関のマークを含んでいなければならない.…(後略)…」

これについて IATF 16949 の認証活動を行っている機関に照会しましたところ、次の説明をJABは2017年7月に得ております。

《JAB発 質問》 IATF16949:2016 の 7.1.5.3.2 項に「校正証明書又は試験報告書には、国家認定機関のマークが付されていなければならない。」という要求事項があります。「ILAC-MRA シンボルが付された校正証明書又は試験報告書」は、この要求を満たすと解釈してよいでしょうか?

《IATF 16949 認証機関殿 ご回答要旨》 はい、IATF 16949 の 条項7.1.5.3.2.に関して、ILAC MRA メンバーの認証マークは許可されています。

これにより、JAB に認定された試験所・校正機関が発行する試験成績書・校正証明書で ILAC-MRA 複合シンボルがついているものは、 IATF 16949:2016 の 7.1.5.3.2 項の要求事項を満たしていることが明らかです。つまり、米国の NVLAP, A2LA, 日本の JCSS と同等に有効です。


[注1] International Automotive Task Force (国際自動車産業特別委員会)

[注2] IATF16949 認証制度の運営元は:

  • 自動車メーカー9社: GM,フォード,FCA(クライスラー),ダイムラー,フォルクスワーゲン,BMW,フィアット,ルノー,プジョーシトロエン
  • 自動車産業団体5団体: 米(AIAG),独(VDA),仏(FIEV),伊(ANFIA),英(SMMT)

[注3] 自動車産業品質マネジメントシステム規格 ―自動車産業の生産部品及び関連するサービス部品の組織に対する品質マネジメントシステム要求事項― / Automotive Quality Management System Standard ― Quality management system requirements for automotive production and relevant service parts organizations


本件に関するお問い合わせ先
公益財団法人日本適合性認定協会
技術部LAB
E-mail: info-lab@jab.or.jp

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