複数サイトの組織が運用するマネジメントシステムの審査及び認証のためのIAF基準文書 (IAF MD 1:2018) の適用について
2019年4月26日
公益財団法人 日本適合性認定協会
2019年4月に開催されました国際認定フォーラム (IAF) の2019年中間会議におけるマネジメントシステム認証ワーキンググループ及び技術委員会 (IAF TC) での議論を踏まえて、下記の通り、IAF MD1の適用について通知いたします。
なお、中間会議での決議事項や当該会議で提出され、検討されたディスカッションペーパーについての検討結果は別途、概要を公表いたしますので、ご参照ください。全てのディスカッションペーパーの翻訳も完了次第、提供いたします。
記
1. 複数のサイトが近距離の範囲に存在する複数サイトの扱い
IAF中間会議の技術委員会では、次の事項が確認されました。
複数のサイトが近距離に存在していて、移動時間が短時間であっても、これらのサイトを統合して、単一サイトとして扱うことはできない。 |
本協会は、IAFにおける確認結果を尊重しながら、認定機関が認証審査の有効性が十分に確保されると判断する限りにおいて、一定の範囲で、適用の是非を定めることができるとするIAFの原則に基づき、以下の条件を満たす場合、単一サイトとして扱うことを認める。
- 複数のサイトが隣接しており、かつ、
- これらのサイトが同一の敷地に複数の建屋として存在するケースと同じ審査工数で有効な認証審査が実施できると認証機関が判断する場合。
認証機関は、管理者、管理体制、マネジメントシステムのプロセス等に着目して独自の合理的基準を設け、この基準を満足するかについての評価・確認の方法を手順として有し、適切に適用し、有効な審査が実施されていることを実証しなければならない。
2. 認証文書
1を適用して、単一サイトとして扱った場合でも、IAF MD1の7.8に従って、全てのサイトを認証範囲に含まなければならない。
3. 仮想サイトに該当しないサイトで、常勤者不在のサイトの審査工数
そのサイトに常勤しているか否か、専用席の有無などにかかわらず、そのサイトを認証範囲に含める必要があるとする限り、そのサイトには担当する組織の機能、事業活動があり、それに携わる要員が存在すると考えられる。したがって、この要員について、当該のサイトが担当する事業活動にかかる業務時間や、性質を考慮して、有効要員数を計算し、当該サイトの審査工数を算出しなければならない。
4. プロセスの複雑さ
複数サイトが含まれる組織のマネジメントシステムを審査する場合に、それぞれのサイトにあるプロセス、活動の種類及び複雑さにかかわらず、IAF MD5にのっとり合理的に算出された有効要員数に基づいた審査工数を算出し、IAF MD5、IAF MD1で規定する審査工数の削減の上限を超えて削減を行ってはならない。
以上
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