ILAC中間会議及び関連会議報告

2019年5月27日
公益財団法人 日本適合性認定協会

2019年4月4日から7日に、メキシコシティにて、ILAC (国際試験所認定協力機構) 中間会議及び関連会議が開催されました。概要について報告いたします。

ILAC AIC会議概要

1.1 ISO/IEC 17025関係WG (サンプリング、不確かさ以外)

ISO/IEC 17025:2017発行後もその運用について質問があった際の窓口として維持されているが、質問事項はなかった。2020年4月のILAC期中会議でワークショップを開催することを計画している。

1.2 技能試験参加方針 (ILAC P9) 改定

ISO/IEC 17011:2017及びISO/IEC 17025:2017の発行により技能試験参加の位置付けが変わり認定機関として技能試験の参加方針を持つ必要がなくなった。主査からこの文書の必要性有無について問題提起があったが、バイオバンキングのPTなど新しい分野への検討、参加頻度などの必要性に関する意見もあり、主査が5月初めまでに更に汎用性のある改定案文を作成し、AICメンバーコメントに出されることとなった。

1.3 ILAC G17改定: 試験の不確かさガイド (ILAC G17) の改定作業

共同主査の議長から改定案の提示があったが、不確かさの報告を義務付けようとする文書の方向性に反対意見があり、多数の支持を得るに至らなかった。本協会からは、APLAC TC004の改定案文 (どのような場合に測定の不確かさ評価が必要かというガイド) を提示した。

1.4 適合性表明ガイドライン (ILAC G8) 改定

改定のためのTFGを設置し、2018年3月にAICメンバーコメント回付結果、技術コメント全てを反映しようとすると、さらに長い時間を要することが予測されたため、今回は提示された案で一旦発行することを合意し、追って、30日ILACメンバー投票にかけられる。

1.5 ISO 15189改定関連

ISO/IEC 17025:2017への整合を踏まえて大きな改定となる予定である。

1.6 ISO/TC276リエゾン

ISO TC276で開発されたISO 20387の発行に伴い、2018年ILAC総会でISO 20287をバイオバンクの認定基準とすることが合意された。ただし、ISO 20287はそのままでは認定要求事項とするには不十分と思われる点があり、認定のための適用文書の作成の必要性を確認した。本協会を始め準備を進めている認定機関が多いことから、次回の会議でISO 20387のワークショップ開催を計画する。

1.7 ILACトレーサビリティ方針 (ILAC P10) 改定

ISO/IEC 17025:2017の発行に伴い見直しが必要となったP10について、改定案に対するILACメンバーコメントについて議論を行った。コメントの中でオプション3a (CIPM/MRAの範囲外) と3b (ILAC MRA範囲外) について議論を行ったが合意に至らなかった。継続して議論を続ける。

1.8 校正における不確かさの評価と表明に関する方針 (ILAC P14) 改定

ISO/IEC 17025:2017の制定に伴う見直しが行われ、2019年1月にAICメンバーコメントにかけられて今回改定案が提示された。

ILAC ARC会議概要

1.9 WG2 (ILAC P4, P5, R6)

2018年11月から2019年1月の間にILACメンバーコメントに出され、WGがこれらをまとめて最終案文を作成して、3月27日から30日間のILACメンバー投票にかけられた。
ILAC P4 “ILAC Mutual Recognition Arrangement: Policy and Management”
ILAC P5 “ILAC Mutual Recognition Arrangement: Scope and Obligations”
ILAC R6 “Structure of the ILAC Mutual Recognition Arrangement and Procedure for Expansion of the Scope of the ILAC Arrangement”

1.10 WG9 (非常事態における認定のガイド)

地震、津波や戦争、テロリズムなどの非常事態が発生した際に、被害を受けた試験所や認定機関を認定やMRAのステータスを傷つけることなく維持するためのガイド開発プロジェクト。本協会WG主査より、IAF ID3との比較表を作成し、寄せられたコメントを元に修正案を用意したが、議論の中で、新ISO/IEC 17011が認定の運営についてはリスクベースで対応する責任範囲が広がったことから、このような文書の必要性がなくなったのではないかとの指摘があり、この文書の開発を中止することを合意した。ただし、それにつけても実際に非常事態が発生した場合にISO/IEC 17011運用に差し障りがあるケースが発生する可能性があることから、次回或いは1年後の期中会議でワークショップを開催し、各機関の経験について紹介することを合意した。

1.11 WG12 (ILAC P8改定)

ISO/IEC 17011:2017発行に伴い見直しのため、前回会議後ILACメンバー投票が行われ、その結果を反映して2019年3月31日付で発行されたことが報告された。本文書の移行期間は1年間 (~2020年3月) 。

1.12 WG13 (越境認定ガイド)

ILAC G21 (越境認定ガイド) について、それを遵守しない認定機関があることから、もっと強制力のある方針文書 (Pシリーズ) にすべきとの意見が多くある一方で米国認定機関からは米国の独占禁止法が適用されるため、認定機関間の競争を制限すべきでないとの意見が出されていた。越境認定をする場合に地元の認定機関と協力するという方向に転じて、方針文書案を提示した。これについて、ILAC理事会で国際法も含めた法的な見解を専門機関に意見を求めることとなり、概ね問題がないという見解が示された。今後この法的見解をILAC理事会で検討の上、最終案をILACメンバー投票にかける予定である。

1.13 新規業務

バイオバンキングにかかるISO規格 (ISO 20387) が発行され、前回総会でこの規格をバイオバンキングの認定基準とすることが決議されたことに従い、認定プログラム運営のための各種文書の必要性について議論が必要となった。

ILAC IC (インスペクション)

1.14 WG4: ILAC G27改定

前回会議決定に基づきILAC内コメントを経て、WG検討の改定案に基づき、ILACメンバー投票(30日間) にかけられる。

1.15 WG6: ILAC P15改定

2019年6月以降ILACメンバー内にコメントを回付予定。

1.16 ワークショップ 2019

次回フランクフルト会議において「公平性に関するWorkshop」を実施予定。

以上

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