臨床検査室の認定取得(ISO 15189)をお考えの皆様へ
2023年5月19日
公益財団法人 日本適合性認定協会
ISO 15189 に基づく臨床検査室の認定に関するQ&Aをご紹介します。
「審査が混みあってくると申請受付を中止するのか?」とのご質問を受けますが、ご申請は随時受け付けています。
ただし、混み具合によっては、審査実施や認定授与がご希望の時期にならない場合がございます。(4.項をご参照ください。)
「8. その他のお問合せ」に、フレキシブルな認定に関する説明資料及びQ&Aを掲載しています。
(2023年5月19日付で「フレキシブルな認定に係るQ&A」を更新しました)
1. 認定対象の検査について
どのような検査が認定の対象になりますか?
現在は、保険収載項目が対象となります(※)。
分類は、基幹項目・非基幹項目・特定プログラムⅠ・病理学的検査・生理学的検査 となります。
認定対象項目の詳細は、JAB RM205「臨床検査室の認定範囲分類」をご参照ください。
なお、「NGS」の認定取得をご希望の場合は、ご申請前にご相談ください。
JAB RM205「臨床検査室の認定範囲分類」 (PDF 378KB)
(※) 現在は、非保険の検査については、原則としてISO 15189での認定を行っておりません。
JIS Q 17025 (ISO/IEC 17025)(注) に基づく「試験所認定」として認定可能な場合がございますので、該当する場合はご相談ください。
(注)「試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項」
認定申請範囲は自由に選択してよいのですか?
申請は、基幹項目及び特定プログラムⅠは全ての項目、非基幹項目、病理学的検査及び生理学的検査は中分類毎となります。
ただし、外部委託検査室のみによる検査項目は申請範囲には含むことはできません。NGSやホルター型心電図検査等で「解析」を外部委託している場合も、申請範囲に含むことはできません。
なお、病理学的検査の認定を希望する場合、「病理診断」も申請範囲に含める必要があります。
(JAB RM205 1. 及び JAB RL200 4.4 ご参照)
検査室の準備状況等により、何段階かに分けて認定の取得を計画される場合もございます。
認定を取得するとどのようなメリットがありますか?
次のとおり、ISO 15189の認定取得のメリットが明確に示されております。
(1) 厚生労働省の2016年度の診療報酬改定において、「国際標準検査管理加算」が新設されました。
国際規格に基づく技術能力の認定を受けている場合に、診療報酬の加算が認められました。
これに関係し、2016年4月25日付にて、「国際標準検査管理加算」に関する、厚労省からの疑義解釈が出されました。
厚生労働省のホームページ中の診療報酬の改定に関する記事
●出典:厚生労働省ホームページ
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000122794.pdf
【事務連絡】疑義解釈資料の送付について(その2) (PDF 540KB)
内容は、概ね以下のとおりです。
① 加算を受けるには、ISO 15189の基幹項目及び非基幹項目の認定取得が必要である
② 実際に認定範囲内の項目を検査したかに関わらず管理加算に併せて算定可能である
③ (認定ラボへ) 外部委託した場合は加算の算定はできない
(2) 以下のがんゲノム医療に関する指定要件の一部となりました。
「がんゲノム医療中核拠点病院等の整備について」(厚生労働省健康局長通知 健発0801第18号)(令和4年8月1日)
●出典:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/gan_byoin.html
Ⅱ がんゲノム医療中核拠点病院の指定要件について(抜粋)
1 診療体制
(1)診療機能
① がん遺伝子パネル検査について、以下の要件を満たすこと。
ア 外部機関による技術能力についての施設認定(以下「第三者認定」という。)を受けた臨床検査室を有すること。
イ 第三者認定を受けた病理検査室を有すること。(以下略)
Ⅲ がんゲノム医療拠点病院の指定要件について(抜粋)
1 診療体制
(1)診療機能
① がん遺伝子パネル検査について、Ⅱの1の(1)の①の要件を満たすこと。
Ⅳ がんゲノム医療連携病院について(抜粋)
1 診療体制
(1)診療機能
① がん遺伝子パネル検査について、以下を踏まえた体制がとられていること。
ア 第三者認定を受けた臨床検査室を有することが望ましい。
イ 第三者認定を受けた病理検査室を有することが望ましい。(以下略)
2. 申請準備について
認定取得に向けた準備活動開始から認定申請可能となるまでの活動期間はどれくらいかかりますか?
組織・施設の規模やISO 15189の理解度などにより異なりますが、1年~1年半くらいかかるのが一般的です。
予め、規格(ISO 15189)の要求事項を満足するような組織、品質マネジメントシステム、設備等を準備し、内部監査、マネジメントレビュー、技能試験の参加(3団体4年分:申請要件)等、一連のマネジメントシステムを最低でも1サイクル以上の運用を行った上で申請を行ってください。
認定取得に向けてコンサルティング等の支援を受けたい場合はどうすればよいでしょうか?
認定機関としての独立性、公平性を期するため、本協会から特定の法人等をご紹介することはできません。
3. 申請から認定取得まで
申請から認定取得まではどれくらいの期間が必要ですか?
平均で10か月程度です。
申請から認定取得まではどのような流れになりますか?
申請から認定までの流れは、パンフレット『JAB UPDATES 2022』の10頁(PDF6枚目)をご参照ください。
JAB UPDATES 2022 (PDF 3.45MB) [2022年3月4日]
臨床検査室認定委員会は、原則として毎月開催しています。
4. 審査日程について
審査日程の申し込みや調整はどうすればよいでしょうか?
申請受理順に、第一段階及び第二段階審査の日程を調整いたします。
申請前の日程調整や予約は承っておりません。
検査室様にて認定取得希望時期が明確な場合は、お早めのご申請をおすすめいたします。
なお、文書レビュー及び第一段階審査の結果により、予定した日程での第二段階審査を実施できる状況にないと審査チームが判断した場合は、延期する場合がございます。
5.申請方法・申請書類について
申請はメール等でも可能でしょうか?
PDF等の電子ファイルによるご提出が可能です。
申請書類提出用としてインターネットストレージに専用フォルダを設定いたしますので、ご申請前にご連絡ください。
ご提出(上記フォルダへアップロード)の際には、ご一報をお願いいたします。
申請書類の確認結果については、ご提出後二週間以内を目安にご連絡いたします。
認定の申請にはどのような書類が必要になりますか?
1) 臨床検査室認定申請書 [JAB RFM01]
・ご入力済みのExcelファイルをご提出ください。(法人代表者の押印は不要です)
2) 認定申請書添付書類リスト(臨床検査室)(ISO 15189:2012用) [JAB RFM03] に記載の書類
・No.1 認定契約書 [JAB RF30] には、法人代表者の押印が必要です。
データ提出の後、原本をご提出ください。(※)
・その他の書類は全て、電子データのみのご提出が可能です。
(※) 認定契約書の原本は、本協会より申請書類の確認結果連絡を受け取られた後にご郵送ください。
上記様式類は下記ウェブサイトからダウンロードをお願いいたします。
http://www.jab.or.jp/service/clinical_examination/#application
6. 認定に適用するJABの基準類について
認定に適用するJABの基準類はありますか?
下記ウェブサイトにて公開しております。
http://www.jab.or.jp/service/clinical_examination/bal/
7. 審査費用について
認定取得・維持の費用はどのくらいかかりますか?
添付のExcelファイルにご入力の上、メールに添付してお送りください。
なお、お見積書につきましては、多くの方々からお問い合わせ・ご要望を頂戴しております。ご依頼・ご要望をいただいた順に順次対応しており、通常ご依頼をいただいてから、おおよそ10営業日程度で見積書をご連絡しております。
なお、お問い合わせ状況等により、上記よりも日数を要する場合もございますこと、あらかじご了承ください。
見積依頼メール送信宛先:acc-lab@jab.or.jp
15189見積内容記入シート (EXCEL 22KB)
8. その他のお問い合せ
メールにてお問い合わせください。
お問い合わせの際、メールタイトルへの付記にて、「ISO 15189認定取得に関して」「ISO 15189申請の手続きに関して」「ISO 15189技術的な事に関して」等をお伝えいただけると幸いです。
なお、フレキシブルな認定に関しましては、お問合せをいただく前に、まずは次の説明資料及びQ&Aをご覧ください。
臨床検査室のフレキシブルスコープ認定について(2022年度第2回JAB活動報告会資料)(PDF 929KB)
フレキシブルな認定に係るQ&A(2023年5月19日更新) (PDF 192 KB)
以上
本件に関するお問い合わせ先
公益財団法人 日本適合性認定協会
業務部
E-mail:apply-mlab@jab.or.jp