IAF-ILAC中間会議 参加報告

2023年8月16日
公益財団法人 日本適合性認定協会

2023年5月1日~8日に、英国ベルファスト及びオンラインにてIAF (国際認定フォーラム) - ILAC (国際試験所認定協力機構) 中間会議が開催されました。概要について報告いたします。

IAF TC (技術委員会)  2023年5月4日開催

マネジメントシステム (MS) WG

  • DP3件が提出され、いずれもMS WGからの提案を承認。
  • ISO 55001 (アセットMS)、ISO 37001 (贈収賄防止MS)、ISO 37301 (コンプライアンスMS) のIAF MLAサブスコープ拡大にむけ、MD文書開発TFを設置。
  • 審査時間に関するワークショップを実施。

製品WG

  • ISO/IEC 17067のSR終了後、ISO/IEC 17065のSRを開始予定 (2023年7月予定)。
  • 地域グループごとに、両規格の改定に関するコメントをまとめ、8月末までにIAFに提出。
  • IAF TC議長からIAF MD25に対し、現段階で改定の必要はないとのコメントあり。

要員WG

  • ISO/IEC 17024改定に際し、IAFとして積極的に改定作業に参加する。

妥当性確認・検証 WG

  • IAF MLA ISO/IEC 17029の移行期限を、新型コロナによるIAF FAQに準じ、6か月延長の2024年6月末とする。APAC MRAの移行は、EAの移行アプローチと整合する。
  • 欧州 CBAM (炭素国境調整メカニズム) に対する情報共有。韓国NIERからのEU DG TAXUD EC IEC 欧州 税制・関税同盟総局 非公式エキスパートグループへのIAF参加及びIAF CBAM TFの設置の要請。当面IAF Forumを活用し、各国交渉とIAFメンバーとの情報共有をはかる。
  • ICAO CORSIAの改定に伴うワークショップをIAF年次総会と併催 (2023年11月7日実施予定)。
  • ISO/IEC 17029ワークショップ (ESG, SDGに対する認定活動紹介) を年次総会前にオンラインで実施。

Food WG

  • ISO 22003-1:2022の移行に関するMD文書及びIAF MD16の改定作業。
    注) ISO 22003-2:2022、CODEX refer to remote for government, stage3は対象外 (前回TCの合意事項)。

Digitalization WG

  • IAF ID3のIAF MD3格上げを検討中。
  • IAF MD文書の改定に際し、”remote audit”の定義の整合の重要性を議論。

ICT&DS (Data Security) WG (ISO 20000 & ISO/IEC 27001)

  • ISO/IEC 27006-1以降に伴うMD17の改定につきTFを設置。
    ※ ISO/IEC 27001 Audit Practice Note開発TFを設置はしない。

ISO/IEC 17011 WG

  • 将来的な改定事項に関し、意見交換をはじめる。

IAF CertSearch/ IAF MDX (IAF CertSearchへのデータアップロード及びメンテナンスに関するIAF MD文書)

  • IAF TCメンバー 60日コメント実施 (2023年7月31日締切)
  • 主な提案内容
    - IAF MLAメインスコープであるISO/IEC 17021-1に対する認定された認証情報をIAF CertSearchへ登録することを必須とする。
    - 登録情報については、当該CBが責任をもつこととする。

ディスカッションペーパー (参考和訳)

本協会は、IAF TC で合意されたディスカッションペーパーの結論を基本的に受け入れた対応を進めております。

  • IAF-TC-05-24-8.02

          IAF MD2-認証の決定の定義 (参考和訳) (PDF 235KB)

  • IAF-TC-05-24-8.03

          IAF MD9 附属書Cの継続的専門能力開発CPDに関する解釈 (参考和訳) (PDF 287KB) 

ILAC AIC (認定委員会)  2023年5月1日~2日開催

ILAC-P9

WG ISO/IEC 17025のP9改定サブWGはILAC-P9のDraft Ver.7を作成 (2023/7/1まで)

バイオバンクの認定スコープ

WG ISO 17034は、バイオバンクの認定スコープをILAC G18に追加するドラフトを作成 (2023/7/1まで)

ILAC-P10

WGメトロロジーのトレーサビリティサブWGは、ILAC-P10のAnnexに追記するドラフトを作成 (2023/11/1まで)

 ILAC IC (検査委員会) 2023年5月4日開催

ISO/IEC 17020改定

ISO/CASCOにおける文書改定スケジュール:
2023.9 2nd Meeting ⇒ CD1、mid 2024 DIS (目標) early 2025 FDIS (目標)、end of 2025 発行 (目標)

新技術

検査活動への新技術の影響のワークショップ開催 →ドローンを使った検査活動及びその審査の実例紹介

  • 海事関連検査へのDX活用
    立ち入れない場所からの3Dカメラを含むセンサー出力
    ドキュメント (設計図面) とデータのデジタル化と相互リンク
    ⇒検査の安全性向上、検査コスト削減
  • 建物解体時のアスベスト検査へのドローン活用
    検査員が検査にドローンを使用
    認定審査の立会時の利用 (議論)
    ⇒作業安全性、目視確認との差の検証

ETV (環境技術実証)

ISO/IEC 17020によるETV認定について、地域間で一番先行していたEA域内において、EC (European Commission) のETV支援の期間が終了となり、新たなフェーズに進んでいた。

外部機関連携

OIML (国際法定計量機関) 、GAFTA (Grain and Feed Trade Association)

ILAC ARC (アレンジメント委員会) 2023年5月3日開催

Extraordinary eventsの文書

本件はILAC-ARCから、IAFとILACのJEC (合同執行委員会) が扱うべき案件とすることとなっていたが、この間JECの開催は無く、今般の中間会合の中で5月7日にJECが開催されるとの報告のみ。

バイオバンクのMRA

ILAC相互承認へのバイオバンク申請の受入れの進捗。バイオバンクのMRA申請がAPAC域とEA域で進んでおり、ILAC MRAへのバイオバンク申請を受け付けて良い状態になったことが確認され、ARCとしての当該アクションはCloseとなった。

リモート審査

リモート審査の情報交換。リモート活用派はインド、イタリア、リモート限定活用はNVLAP、A2LA。リモート原則廃止派はStakeholder Forum、一方で、CABからリモート/ハイブリッドの大きな要望があるとのコメントあり。ARCとして本件には特段のアクションが無いこと、リモートはツールとして活用可能であること、実態としてはオンサイトが多くなってきていること、が確認された。

移行期間の解釈

ISO 15189 及び ISO/IEC 17043 の移行期限の決議「規格の発行から3年」は発行日 (Date) から厳密に3年なのか、或いは発行月末から3年後なのかが追加の議題となった。ARCとしては「月末から3年」との意見で一致し、ILAC ExecutiveにARCの意見として上げることとなった。

ILAC-Pxx (認定機関間の協力)

この文書は、発行に至る手続きに関する苦情が2度提出され、発行が遅れているもの。この進捗について質問があった。Legalな取扱いが現在も進行中であるが、2022年11月以降の情報は無いとの回答。

以上

 

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